COVID-19による医療崩壊
医療崩壊が起きたとき、いったい何が起こるんだろう?
朧げながら想像できるが、やはり医療現場の現実はわからない部分が多い。マスメディアでそれほど詳細が報道されているわけでもない。
ここ最近、医療従事者の皆さまの悲痛な叫びがFacebookに投稿されており、これらを読むとより現実的な恐怖が実感できる。
勝手ながら自戒のためにも転載させていただいた。
免責
文書の権利は筆者様に帰属します。
本文をそのまま転載していますが、転載後に修正された場合は追従できていません。
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code: イリョウホウカイって何のこと?
イリョウホウカイって何のこと?
と思っている人、言葉だけ聞いて何となく分かった気になっているひと、たくさんいると思います(僕も、まあその一部でした)。
具体的に、どういうことでしょうか?(以下、全て架空の例で、事実ではありません)
例1
あなたの両親、祖父母、あるいはあなた自身が、例えば、肺がんや胃がんと診断されたとします。医師「ステージ2の胃がんですね、手術すればよくなる可能性があります」患者と家族「良かった、できれば早めに手術を受けたいのですが」
医師「いや、今はコロナウィルスの患者さんが病院にたくさんいますので、手術はできません。待っていてください」
患者と家族「え、、、、いますぐ受けられないんですか?」
医師「はい、うちの病院は、すでに手術を全部止めています、この感染症が落ち着くまで、待っていて下さい」
患者と家族「いつまで?」医師「それは分かりません。早く感染症が落ち着くことを祈って、不要な外出を避け、手洗いをし、他の方に感染させないようにしてください。あなたより高齢で、あなたより弱っている方は、あなたよりもっとこのウイルス感染に弱いのです。あなたの行動が、その方達の命を握っている、と考えてください」
患者と家族「でも!その間に進んでしまったら、どうするんですか!?」
医師「どのようにがんが進むかは分かりません、いや実は、もっとステージが進んでいたり、場所がよくなくて、今すぐ手術した方が良いな、という方も、待っていらっしゃるのです。残念ながら、あなた方だけではないのです。。」
例2
おじいちゃんが、「寒い、寒い」と言って震えています。
医師「敗血症の疑いが高いですね、どこかから、血液の中に細菌が入ってしまっています。それを調べるのと、抗生物質の点滴が必要です」
家族「どれくらい入院が必要ですか?」
医師「いえ、入院はできません。病棟はコロナウイルスの方でいっぱいです。それから、このおじいちゃんも入院することで、コロナウイルスにもかかってしまうかもしれません。せっかくご家族にもこのウイルスの感染がなさそうので、ご自宅で治療しましょう。毎日点滴をナースがしにきます。具合が余程悪くならない限り、入院は、おすすめしません」
家族「そんな。。。家で見るなんて。。。」
例3
長引く咳、発熱で息が苦しそうな25歳の息子さんと一緒に受診。
医師「どうもコロナウイルスのようですね。。。酸素も必要そうです。」
あなた「そうなんですか、、やっぱり。。すぐに治療をしてください!」
医師「いえ、酸素投与によって何とか持てそうですので、家にいてください」
あなた「え!?入院して治療じゃないんですか!?」
医師「入院しているのはみなさんずっと重症で、生きるか死ぬか、と言う方ばかりです。人工呼吸器も、うちの病院のはすでに全部埋まっています。このウイルスにはまだ有効な治療薬は確立されていないので、ご自宅で酸素吸入で何とか行ける方は、そのようにお願いしています。この機械をお貸ししますので(指にはめる)、数字が90を切るようなことが続いた場合、また来てください。いいですか、患者さん自身にもマスクをさせて、うつ伏せにさせて休ませてください。なるべく、動かないように。毎日こちらからお電話しますので、状況を教えてください」
あなた「そんなことって。。。家でなんて無理です。。。」
医師「今は仕方がないのです。実は同じような方が、外来に何人もいらっしゃいます、我々も止むを得ず、そうさせてもらっているのです。」
例4
救急隊からの電話「事故で出血多量です!!受け入れ要請です!!」
対応医師「うちは救急車を止めていますので、申し訳ないのですが、他を当たってください」
救急隊「そんな!そちらの病院でもう5件目なんですよ!!血圧も下がっています!!」
対応医師「すみません、うちはコロナの患者さんで一杯なのです。それから、緊急手術ができる外科の先生、半分がコロナウイルスにかかってしまって、手術などできる状況ではないのです」
救急隊「。。。」
いかがでしょうか。
例3などは、実際に米国の一部で起こっている事実、という情報(確かな筋です)もあります。
一般の方が、日常生活で、病気や人の死に接することは、多くないと思います。でも医療従事者は、いま、まさにこの瞬間も、この新型コロナウイルスと闘っています。あるいは、他の病気の治療に専念しています。あらゆる病気の患者さんを救うために。
みなさんが毎日のように当たり前に受けている医療、これは、一定の条件が揃えば、壊れます。それがいま、世界中で起こっています。
日常のその先を、少しだけ想像してみてください。いま当たり前に目の前にある日常は、実は決して当たり前ではないのです。
では、それを防ぐのに、何ができるのでしょう?
もう答えは分かっていますね。3密を避け、手洗いをし、外出しないことです。風邪を引いても、味覚や嗅覚がおかしくても、元気なら、家に籠る。心配ですよね。
でもそれがいま、世界中で行われていることです。
Happy to be shared if you think you want or need.
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code:医療崩壊はじまってます
【医療崩壊はじまってます】
昨日も今日も動画を撮って警告を出そうと何度もトライしたのですが、自分の口からお話する言葉たちがあまりに怖くてて撮れませんでした。ただのフリーランス麻酔科医の長い独り言として最後まで読んでいただけたらありがたいです。
メディアやSNSで医療崩壊したら…と話題がありますが、もうはじまっているというお話です。
私の友人も昨日濃厚接触者疑いの濃厚接触者ということで隔離が始まりました。他の先輩や友人も防護服を着ながら診療にあたっています。他病院もどんどん医療者も陽性が分かってきています。
もし私たち麻酔科医や外科医が陽性になると症状がなくても隔離となり、それはつまりオペ室稼働ができなくなるということです。
コロナと全く関係ない、癌や心筋梗塞や脳出血とか、いつもだったら手術すれば助けられるはずだった人たちまで助けられなくなる。不妊治療なども、今妊娠して10ヶ月後に安全を約束できないのでストップしてもらってるほど事態は深刻なんです。
コロナに関しては、重症化パターンの規則性がまだ見えません。全世界でどの世代も亡くなっています。ベットを増設しようが、呼吸器の生産がたとえ追いついて設備が整っても…重症化した患者さんを何人救えるのか。
医療資源の限界が来ると、次の段階はトリアージ、という命の選別をはじめないといけません。
この人を助けたいけどそれを諦めて次の助かりそうな患者のところに行かなければいけない。
ボロボロ手から命がこぼれていきます。
隣で仲間が死んでいったとしても、悲しむ時間もなく治療を続けなければいけないし、一生懸念治療した目の前の患者があっという間に亡くなったりしていくのです。
医療従事者の感染者数が増えれば、更に大量の死者が出る。死体の山です。
わたしたちは何人の患者を見殺しにしないといけないのでしょうか?
医療崩壊は、設備だけあっても人手だけあっても防げません。みなさまの怒り、不安、ストレスもよく分かります。それでも、日本にいる全ての人で協力して欲しいと願うわたしは我儘なのでしょうか?世間知らずなのでしょうか?
どうか、読んでくれてるあなたとその周りの大切な方の命を守れるように、声をかけあっておうちでお過ごしてください。
○外出を最小限にしてください。入学式入社式の延期を。テレワーク、出来ませんか?
○たばこ?まだ吸ってるのですか?
○人との距離は1.5-2m離れるよう心がけましょう。やってなかったら「ソーシャルディスタンスしようぜ!」と声を掛け合いましょう。恥ずかしがらないで、ルールは自分たちで作りましょう。
○マスクは手作りでよいのでしましょう。マスクをしたから大丈夫という意味ではないです。しないよりはマシ。咳エチケット。
○顔はなるべく触らない。気になったらすぐ手洗い。
○いつ終わるのか考えるのをやめて、お家で楽しく過ごす名人か、テレワーク達人になってください。
これから少なくとも2週間は感染者数が増えますが、慌てないでください。私たち医療従事者はもうそのつもりで対策を講じています。
それでもこれからたくさんの患者さんを助けられない日が近いと考えると怖くて怖くて仕方がありません。私たちだけでは乗り越えられない。
一緒に闘いましょう。
ご協力よろしくお願いします。
WiTH PAiN みおしん
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に 対応する職員のためのサポートガイド 日本赤十字
2020年3月25日 初版第2刷 1
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