4次元構造のライブ体験
Tyler, C. W. (2021). A Live Experience of Four-Dimensional Structure. Perception, 50(2), 165-169.
著者はCrystpher Tyler
4次元構造を体験しようという話。
https://journals.sagepub.com/na101/home/literatum/publisher/sage/journals/content/peca/2021/peca_50_2/0301006620985387/20210208/images/large/10.1177_0301006620985387-fig1.jpeg
2次元平面上に点が並んでいる→さまざまな大きさの円状パターンがいろいろな場所に現れたり消えたり
図1B: ネッカーキューブ
2次元画像→3次元の奥行きを知覚可能
図2: 4次元超立方体
https://journals.sagepub.com/na101/home/literatum/publisher/sage/journals/content/peca/2021/peca_50_2/0301006620985387/20210208/images/large/10.1177_0301006620985387-fig2.jpeg
図2A: 4次元超立方体の直交(平行)射影
次元中2次元を面に潰してる。遠近法を無視した影だと思えばよい。
4次元のネッカーキューブだと思って見れば良い(けど見えない)
ネッカーキューブ→2状態多義図形。H-cubeの直交射影→曖昧性が高い(不安定)。
The figure demonstrates a pronounced 3D rather than 2D attentional selectivity that has perhaps not been previously reported.
図2B: 4次元超立方体の透視射影
4次元目(3次元空間からははみ出ていて我々には見えない)で近い→大きい。遠近法を考慮した影。
table: 線から超立方体へ
N-1次元 要素数 N次元
1D: 線 4 2D: 正方形
2D: 正方形 6 3D: 立方体
3D: 立方体 8 4D: 超立方体(正八胞体)
超立方体の展開図
http://stat.ameba.jp/user_images/e8/ea/10044204566.png
(高橋)意味がわからない・・・いや、意味はわかるが直感的に理解することは困難
図3:超立方体の3D知覚
https://journals.sagepub.com/na101/home/literatum/publisher/sage/journals/content/peca/2021/peca_50_2/0301006620985387/20210208/images/large/10.1177_0301006620985387-fig3.jpeg
Fig 2Aを見た時、いくつかの見え方のパターンがある(著者は28個と言っている)
1: Fig 3Bの中央のパターン。平面図形として見る。上下左右に対称な平面像。対称性が高く平面像を維持するのは困難(ネッカーキューブの2次元知覚が難しいのと同様)。
2: 6角柱としての認識(Fig 3A)。4パターンありえる(ネッカーキューブに2パターンの見えがあるのと同様)。
3: Fig 3B周辺のネッカーキューブ的立体。これは8種類ある。1つに注意を向けると、他の7つはフラットに見えるか、よくわからなくなる。
(高橋)2〜3個なら同時に認識できるのでは?
4: Fig 3Cの対称なネッカーキューブ2つの組み合わせ。
28個の3Dパターン:(2)4 + (3)8*2 + (4): 4x2 = 28((1)は2D)
(高橋)凹図形を許せばAもシュレーダーの階段なので実は2通りありえる。
ネッカーキューブで奥行き反転が起こるように、28の3Dパターン(+ひとつの2Dパターン)の見えの間で遷移する。
これは「アリが3次元立方体の2次元の面を這いながらその性質や連結性を体験するのと同じように、4次元の空間次元に時間次元を加えたもの」→(高橋)言いたいことはわかる。でも認識するのは困難。
ネッカーキューブとの本質的な違い
ネッカーキューブ: 3Dオブジェクト全体の異なるビュー
超立方体: 注意を向けた一部の構造を3Dとし、他は平坦
高橋:おそらく4D超立方体全体を同時に3D化することはできない、ということ。2次元人からネッカーキューブはどう見える?
結論:私にはまだ4次元空間は見えない。