★殺陣:身體のあり方
2023/2/11
殺陣などのアクションにとって,身體についてのマインドセットはとても大事です。
殺陣はアクションですから,身體は以下のような能力を身につける必要があると思います.
1. 柔軟さ:特に股関節,肩関節は自由自在に動くと良き.
2. 俊敏さ:一つずつの動作は確実で,なおかつ「キレ」のいい動きがほしいです.またジャンプ力もほしいです.
3. バランス力:アクションの実際ではまっすぐ切ったり蹴ったりはせず,斜めになったりしゃがんだり飛んだりします.その時にぐらぐらしないことが大切になります.
4. リラックス力:激しいアクションになればなるほど,いかに脱力するかが思わぬ怪我や事故を防ぐためにも大切です.必要以外の部分はリラックスさせることは意外と難しいのです.
5. 持久力・呼吸力:かっこよく刀を振り回しても数手で息がアガってはどうにもなりません.最低限の力で最大限の動きをするコツをつかむ必要があります.それにはエネルギーの源である呼吸の方法をしっかり身につけておく必要があります.
他にもあるかと思いますが,主たるものは上のような能力です.ではそれにはどんな身體が必要か?を考えてみます.ここでは一番大切だと思われる3つを挙げます。
1. コアマッスル
2. 適切な弛緩
3. 筋骨の知識と意識
1. コアマッスル:
人の筋肉は、腹直筋とか大胸筋みたいな外に発達する「アウターマッスル」の他に、骨格の内側にへばりついている小さな筋肉がたくさんあります。中には大腰筋のような長くて大きなものもありますが、ほとんどは薄っぺらくて短いものです。これらの小さな筋肉が少しづつ協調し合って「立つ・座る」「歩く走る止まる」などの動作を支えています。
これらは「インナーマッスル」と総称されます。
インナーは人間が生物らしい動きをする根源だともいえます。
たとえば、今の人型のロボットにはインナーマッスルがありません。いくら踊れても走れても「ロボットっぽい」動きなのは、インナーによる微妙な調整ができないからです。
このように、人の動きの微妙なバランスを支えているのはほぼインナーマッスルです。
その中でも体幹を支えるのに関わるのが「コアマッスル」です。
コアマッスルとは、体幹部にあるインナーマッスルである「骨盤底筋群」「多裂筋」「腹横筋」「横隔膜」の4つの筋群のことです。(から引用) これらの4つの筋肉群は腰と骨盤を支える事で、上半身(脊椎・頚椎・頭蓋・肩・腕)と下半身(大腿、脛、踵、足)の統合・橋渡しをしています。
姿勢の維持や制御は、コアマッスルが中心となって、反射運動として実行しています。
バランスを崩した時におっとっと」と言っている間になんとか元に戻れるのはコアによる反射運動のおかげなのです。
コアの働きが鈍くなると「足がトトト…となったら止まれない」「変な転び方をして手首を骨折した」みたいなことが生じます。
また、コアの一つである横隔膜は、役者にとって大切な呼吸の多くを支えています。
殺陣やバトルアクションもどんな動きでもしなやかに素早く対応する必要がありますから、コアをしっかり鍛えることは必須なのです。
2. 適切な弛緩
弛緩というのは「緩む」ということです.弛緩はしなやかで俊敏な動きに必要不可欠です。
アクションをキレよく見せたい。ーーたとえば人を斬るとか、ボールを打つとかーーのためには、部分的にまたは瞬間に力は発揮しているけれども、その瞬間までは、緩い状態、平常な状態を保つことが、すごく大切です。
こう言う弛緩を,今仮に「動的弛緩」呼びましょうか。この動的弛緩は精神状態と強く結びついています。
チャンスボールを慌てて打ってミスするとか、よく聞きますね。
「チャンスはピンチ、ピンチはチャンス」とよく言われるのは、ピンチとかチャンスという状況に対して、人が心を乱されてしまいがちな事を、諌める言葉なんですね。
これは武道で言う「平常心」「不動心」と言い換えてもいいでしょう。
ただ,今ここでは心の問題は置いときましょう。
「心よりまず身体」とオイラは考えています。
まずは自分の体のどこが緊張しやすいのか、緩められそうな部分はないか、自分にとって「ニュートラル」とはどう言う状態か……そう言った自分の體との対話を重ねて行くことで、自然と自己肯定感も自信も不動心も引き出しやすくなると思います。
3. 筋肉・骨格・関節の正しい知識と意識:
「ボディマップ」と言うジャンルのトレーニングがあります。これは、自分が思い込んでいる体のイメージと、実際の身體とのギャップを一つづつ見つけて修正するメソッドです。
これを調べて貰えば大体はわかっていただけると思います。
でもこれで終わるのはアレなんで、ちょっと解説しますね😁
たとえば「腕を伸ばしてください」と言われたとします。
その時皆さんはどこを動かしますか?
随意筋というのは、一つづつ取り出して動かすのは難しくて、普段私たちは漠然としたイメージで体を動かし、思い通りにしているつもりになっています。
たとえば、食卓の端っこにある調味料を取りたい時。腕や胴体をどう動かすのか、いちいち考えませんよね。
こうやって手を伸ばして、調味料をばら撒かないようにそっと持ち上げ、揺らさないようにそっと扱う。そこに「理屈」は存在しない。普段の何気ない動きってたいていそうですよね。
「腕を伸ばして」と言われた時に持つ「イメージ」は、本当に腕の骨をまっすぐにするだけだと思いがちですが、実際の骨格では人の腕は鎖骨から始まっています!……こう言った事を知識と意識のセットとして身につけて行くと、あなたの身體は思っていたより遥かに自由に動けるようになります。
この2点がなによりだと思います.
*****作業中m(_ _)m*****
トレーニングはどうするか?
ただの筋トレでは
猫歩き,ワニ歩き
などなど.
以上.