舞台稽古メモ(01):役者とは?
2021/5/11, 初出:2012-08-26
舞台も音楽も,専門教育を受けていないので,肩書きはなにもない.
しかし,いままで舞台づくりをしてきて,多くの「先生・師」に出会ったことで,得られたこと,学んだことは数知れない.
また,いろいろな人と舞台を作る中で様々な状況に出会い,知恵を絞って乗り越えたことや経験したこと,そんなことの積み重ねが,今のおいらを作っている.
だから,これから舞台を始めようか,歌やダンス,芝居を始めようかという人に,
「こんなイメージを持って稽古すれば?」
とか,
「舞台の上に立つってどういうこと?」
というような,ヒントになりそうなことを少しずつ書き留めていきたいと思う.
よろしくおねがいします.
で.
最初はやっぱりこれですよね.
◆役者の仕事とは
どれだけ稽古を重ねても,
どれだけ緻密に演出されていても,
舞台はなにが起こるかわからない.
舞台は毎回,まだ見ぬ土地への探検と同じ.
準備不足でも,練習不足でも,泣いくても笑っても,幕は上がる.
上がった幕は,下ろさなくてはならない.
「勇気を出して探検に出て,必ず生きて帰り,幕を下ろす」
これが,役者の仕事です.
いきなり抽象的ですみません.
もうすこし具体的にいうと,
言われたことだけをする人を「役者」とは呼びません.
「決まった台詞を決まった立ち位置で,決まったようにしゃべる」
「きまった時に決まった歌をただ歌う」
「きめられた振り付けのダンスを間違えずに踊る」
これは役者の仕事ではありません.
毎回,舞台の上で,与えられた役を最後まで「生きぬく」こと
板の上でエネルギーを発し続けること
役者がやるべきことは,これしかないと言ってもいいと思います.
役者が発するエネルギー・熱量こそ,芝居の原動力です.
舞台の稽古や準備はすべてこのためにあります.
以上.
▶▶次は…… 舞台稽古メモ(02):舞台は広くて遠い非常識な空間
▶▶【舞台稽古メモ:目次】
▶▶【演劇お稽古帳 目次】へ
2022/5/1