オスカー・フェイト
登場:フェイトの部
本名はクインシー・ウィリアムズ。黒人。
「黒い夜明け」というニューヨークの雑誌の文化社会部の記者。オスカー・フェイトはペンネーム。
母親が急死し、葬儀を行ってすぐ、取材のためにデトロイトに住むバリー・シーマンを訪ねた。
バリー・シーマンは元ブラックパンサー党で、『バリー・シーマンとスペアリブを』という食事エッセイなどの著書があり、講演で生計を立てていた。
フェイトが取材を行った日にシーマンは教会で、彼の思い出、鴨のオレンジソース煮と芽キャベツのレモン和えとチコリとシュリンプのサラダとブロッコリーのサラダのレシピを話した。
デトロイトのホテルで、フェイトが眠っている間に、サンタテレサのニュースが流れた。女性だけを狙った連続殺人、失業者のいない街。
ニュースが流れていた間、フェイトはブルックリンに住む共産党員の黒人にしたインタビューを思い出していた。その記事が気に入られ、フェイトは正規の記者となった。
シーマンの取材を終えたのち、スポーツ部のデスクからの依頼で、殺された記者の代わりにボクシングの取材のために、メキシコのサンタテレサに行くことになる。
アメリカ人ボクサーが開いた試合前会見でも、サンタテレサで起きている女性だけを狙った連続殺人についての話が出た。フェイトは、連続殺人事件についてルポを書くことを思いつき、文化社会部のデスクの反対を無視し、サンタテレサ滞在を延長する。
グアダルーペ・ロンカルというメキシコシティの新聞の記者でフェミニストの女性と出会い、連続殺人事件の第一容疑者にインタビューしないか持ちかけられる。
ボクシングの試合開始前に、フェイトは試合が八百長であるという妄想に囚われるが、実際はアメリカ人ボクサーが勝ち、メキシコ人ボクサーが負けた。
ボクシングの試合後、メキシコ人記者のチューチョ・フローレス、レンタルビデオ店を経営しているチャーリー・クルスらと飲みに出かけ、チャーリー・クルスの家でロバート・ロドリゲス監督の世に出ていない映像を見て、コカインを吸っていたロサ・アマルフィターノと突然その家を飛び出した。
(チャーリー・クルスの家は、麻薬密売人の溜まり場だったのかも。エル・セルドと同じく、チューチョ・フローレスも(おそらく状況に応じた)名刺を何種類か持っていた。)
ロサの父、オスカル・アマルフィターノに依頼され、フェイトはロサをアメリカまで連れて行くことになる。
記者のグアダルーペと合流し、連続殺人事件の容疑者に取材をするためにロサと一緒にサンタテレサ刑務所に行き、白皮症のドイツ語を話せる大男が現れ、「フェイトの部」は終わる。
アメリカでは他の黒人が大勢いる場面が多かったが、メキシコではフェイトが自分がアフリカ系アメリカ人であることを自覚する場面がある。
フェイトとロサが同じモーテルにいた時に見ていたテレビに、「犯罪の部」で登場する千里眼のフロリータ・アルマーダが出演していた。
「フェイトの部」でフェイトが履いた回数 は三回。