ソフトウェアと経営
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ソフトウェアと経営
その他
不確実性に立ち向かう話 at.技育祭
ログ
DX
DXとは何か
DXとは、「失敗をコントロールし、継続的に改善し続ける」こと
企業の事業改善の施策のサイクルは、事業の理解をより促進する仕組みにもなる
また、この改善サイクルを行った回数が福利的効果を持って事業数値を向上させ、競争優位・成長速度につながっていく
りく.iconなぜ福利的効果になるのか?
このような背景から、「失敗をコントロールしながら、素早く事業を改善し続ける」
そのために、「ソフトウェアと正しく向き合い、事業を科学的に理解する」
この状態に至ることこそが、DXの目的
DXとは何ではないのか
❌ 技術負債を返済し新しいシステムに置き換えることや、新しいサービスを導入すること
ソフトウェアにおける技術的負債は付き合っていく必要があるが、必ずしも、返済そのものはDXの目的ではない
技術的負債の返済は、コストとリスク、リターンを考えながら推進されるべきものである
❌ 特定の技術やサービスの導入
あくまで、サービスは手段・戦術レベルの話
ある特定のサービスを導入したからといって、事業改善が促進されるわけではない
どんな企業であれ、事業課題を理解し、
改善活動が頻度高く行われるのかを考え、目的に対して適切に導入されるべき性質のものである
❌ AI(ないし機械学習)やBlockchain(ないし分散台帳)などの特定技術を導入す これらは非常に重要な技術であり、正しく用いることで継続的改善に資するものだが、あくまで技術も手段である
まずは事業改善におけるボトルネックやコストパフォーマンスを把握し、「その突破のために必要とあらば技術を導入していく」という姿勢が重要。
❌ プロダクトを内製する事
ソフトウェアやその障害影響のコントロールができていれば、実際の開発を外部のパートナーとすすめる事自体は間違いではない
目的はあくまで「継続的改善が可能な事業体制」の構築
外部委託することでその目的が達成されるのであれば、外部化することは、DXに繋がらないということはない
DXを進めるにあたって、最も重要なこと
事業上のワークフロー全てをソフトウェア化しデジタルで計測することにより、日常の事業活動の一つ一つの価値を管理会計に結びつけ、常に改善ポイントを探し改善し続けること
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Agility
Agilityとは何か
・Agilityとは、組織を構成する一人ひとりが、自身でその場の状況を解釈し自律的に意思決定を下し、しかもその方向性が組織の目標に合致したものであることを指している。 ・ソフトウェア経営はAgilityの達成のためにある。
Agilityがなぜ必要か
・ 事業とは不確実性の連続との戦いである
・ 事業の解像度を高めることで、不確実性を下げることができる。
・ Agilityのある組織は実験による探索を多くできるため、事業の解像度を高め、不確実性を下げることができ、事業を伸ばすことにつながる。
不確実性を最小化するとは何か
投資対象を理解すること
事業の解像度を高めるとは何か
事業構造の解像度を高めること
事業をスケールさせるにあたって重要な投資の力点を探すこと
事業ごとに事業をスケールさせるための鍵となる指標が存在していて、そこを見い出すことで、この事業においては資産を何に投資しているのか理解することができる。
例)ニュースの配信サービスの場合
ユーザー1人当たりの広告収益と顧客獲得単価の差(売上と費用の差:いわゆるユニットエコノミクス)が十分に大きいのであれば、ユーザーを獲得すればするほど利益が拡大していく つまり、この事業においては、広告収益のために、顧客の獲得というところに投資を行っている、と理解することができる
Agilityのある組織がなぜ重要か
事業の解像度を上げるためには、数多くの実験を繰り返す必要がある
しかし、トップダウンに施策を決めていると、情報の集約’・理解・立案・指示がボトルネックになってしまい、実験をうまく機能・サイクルを回すことが難しくなってしまう
組織のAgilityを高めていくことで、この施策の立案と実行を分散化することができる
各々のメンバーが、自身の担当箇所に対して自身の意思で探索と実験を繰り返していくことが最も多くの実験を可能にする。
組織としての方向性や知識が組織内でより多く共有されていることで、各々の実験は一定の方向づけが行われ、それが事業解像度を高めスケールの鍵となる要素を改善するための方向に合致することでその改善の速度は圧倒的なものとなる。
Agilityを高めるためには
Agilityを高めるためには「失敗のコントロール」「科学的手法」「透明性」の3つが重要な要素となる。
失敗のコントロール
一人ひとりが意思決定を自身で行うためには、挑戦を妨げるものを減らして行く必要がある
挑戦を妨げる最たるものが、失敗への恐怖。
どんな取り組みであれ多くのケースで失敗するので
❌ 失敗をゼロにする or 減らす
⭕️ 損失を許容する予算を取り決め、適切な影響範囲内で失敗をさせる
ということが重要
科学的手法
様々な意思決定には以下のフローが伴う
1. 課題
2. 課題に対する仮説(こういうアプローチをすれば、こうやって解決できる。的な)
3. 施策の実行結果
4. 結果に対する解釈
そして、上記のフローに対して、科学的な態度(定量化、比較し、客観性を持って判断し、再現性のあるナレッジとして記録され、それらが論理的に整合していること)を重視していく必要がある
透明性
様々な意思決定によって得られた、知識やデータは、次の意思決定の精度を高めるために役立てる必要がある
そのためには、組織内での情報の流通を最大化する、透明性が求められる
ソフトウェアがAgilityを最大化する
・ ソフトウェアはレジリエンス、可観測性、スケーラビリティというAgilityを強化する重要な特徴を持つ。
・ 正しくソフトウェアの設計を行うことで、レジリエンスを獲得し、施策の影響範囲を限定し失敗をコントロールできる。
・ ソフトウェアの挙動をログデータとして記録し分析することで、様々な施策を数値的・科学的に評価可能になり、また事業全体を数値によるモデルとして表現可能になる。
・ ソフトウェアは計算機上で同じ動作を何度でも繰り返す。このスケーラビリティにより、発見した知識をソフトウェアとして表現すれば即座に沢山の人に利用してもらう事が可能である。
・ AIないし機械学習はソフトウェアのスケーラビリティの適用可能な領域を拡大することに貢献してきた。
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事業をモデル化する
イベント抽出
こうしたワークフローの中で様々な人やモノが何らかのイベントを発生させる。 例えば何かを購入する、何かを消費するなど。
事業の中にどのようなイベントが発生し得るか、まずは抽出することから始める。 KPIモデル設計
事業内で発生しうるイベントが見えてくれば、それらを計測することでイベントの回数を数値化する事が可能になる。
こうした数値をベースに、事業の目的を表現する数値が他のどのような数値から構成されるか見ていく。
例えば広告売上という目的変数の構成要素は、記事閲覧、広告表示など。
最終的には一つ一つのイベントと目的変数の関係性が表現できるようになるだろう。
スケールポイント
予測と目標
モニタリング
施策の理解