遠藤氏卒論「ピンオンプレート法による加工中の凝着の接触電位差測定」
〇研究方法
・工具に凝着(工具と同じ速度で移動)したと判断される原子群の数と構造を調べる
・界面の片方の工具表面を調べるには,微細な凝着の検出をする必要がある
→接触電位差(仕事関数の変化)の測定
〇材料
・Al棒 (過去にはTiN,VC,CrNなど)
〇測定装置
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・CPD測定と加工が交互に行われ,1サイクルに 25秒かかり,300回の測定では約2時間かかる
・摩擦で生じる粉末を除去する機構も装着
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・被加工材をこすりつけることで生じる摩擦痕を定量し,グラフにする
・摩擦痕を往復する毎に撮影
〇測定結果,考察
・CPD 値が上昇しているときは凝着が起こっている
・CPD 値が減少すると,摩耗が起きている
・荷重が大きすぎると凝着ではなく摩耗が生じる
・粉末除去による測定精度の向上は検証できていない
〇今後の展望
・温度や湿度などへの考慮
・配線の不具合や信号受信不良が生じたため,基盤を作成,測定の精度向上
・真空中でのCPD測定→皮膜ごとの変化の違い
〇自分の今後
・凝着測定装置を摩擦も測定できるように改良→凝着装置の上部の金属板の中心部二か所のみ薄くする
・Alではなく,AuやCuなどの別のfcc構造の金属を用いてみる