終わりなき日常を生きろ
この本の基本的枠組みは、「素晴らしい未来」と「終わりなき日常」という対立図式で構成されている。これは絶対的なものが信じられた近代と、絶対的なものが失われたポストモダンの対立として捉えることもできる。客観的に正しい唯一の価値観、社会規範にもとづく理想的な社会、そんなものは実現不可能な物語にすぎない。と、ポストモダン系の知識人たちが近代批判を流布するようになったのは、八十年代初頭にさかのぼる。あの頃、価値の絶対性を支える超越項はもはや存在せず、価値観の相対化された時代に移行したことは、絶対的な価値観やルールに縛られない自由をもたらしたという意味で、確かに歓迎された考え方だった。 https://gyazo.com/b889864b027e2490bbb5688039465f53
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