知られていると知られていること
二次元的にまとめると
知られていると知られているもの
知られていないと知られているもの
知られていないと知られていないもの
知られていると知っていないもの
知られていると知られていることがある(しられているとしられていることがある、There are known knowns)は、イラク政府がテロリスト集団に大量破壊兵器を提供している証拠がないことを記者会見でとがめられた、2002年2月当時のアメリカ国務長官ドナルド・ラムズフェルドによる返答ないし論法として知られる
「何かがなかったという報告は、いつ聞いても面白い。知ってのとおり、知られていると知られていること、つまり知っていると知っていることがあるからだ。知られていないと知られていることがあることも我々は知っている。言ってみれば、我々は知らない何かがあるということを知っている。しかし、知られていないと知られていないこと、つまり、我々が知らないと知らないこともある」
哲学者のスラヴォイ・ジジェクは、ラムズフェルドが挙げた「知っている」「知っていない」の組み合わせ3種よりもはるかに重要なのが、第4の組み合わせ「知っていると知らないこと」なのだとしている。これはつまり、人は既知のことであっても意識的にそれを知っていると認めることを拒絶する、ということである。「ラムズフェルドは、イラク政府と対決するにあたって最大の危険が『知らないと知らないこと』、つまりサダム・フセインの脅威の内実について疑うことすらできないことだと考えていたのかもしれない。しかしアブグレイブの醜聞が明らかにしたのは、危険はまず『知っていると知らないこと』にあるということだ。つまり我々は信じたことや仮定したこと、わいせつな行為を否認するものだし、たとえそれが現代の社会的価値の基調をなしているものであっても、我々は何も知らないかのようにふるまうのである」
自分として