プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
マックス・ヴェーバーの論文
マルクスの唯物論的な決定論史観、政治的な上部構造は経済的な下部構造によって規定される論とは違って下部構造としての経済の成立過程において、宗教的倫理が重要な役目を果たしたという「経済の底には文化がある」論。
労働で得られた対価を蓄積することなく、資本から新事業に再投下することを善とするプロテスタンティズムの禁欲的な行動様式が資本主義の誕生につながったことが説明されている
今日では、禁欲の精神は(最終的にか否か、誰が知ろう)この鉄の檻から抜け出してしまった。ともかく勝利を遂げた資本主義は機械の基礎の上に立って以来、この支柱をもう必要としない。禁欲を図らずも後継した啓蒙主義の薔薇色の雰囲気でさえ、今日では全くうせはてたらしく、「転職義務」の思想はかつての宗教的信仰の亡霊として我々の生活の中を徘徊している。
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