マネーショート
マネーショートから学ぶ仮説の見つけ方とその検証
3つの登場グループ(個人)が取った行動を以下にまとめる。
仮説を見つけた天才
1. マイケル・バーリ
マイケル・バーリは数字を執拗に眺める中で、サブプライムショックが起きるであろうということを予期する。この映画の中では、この仮説を最初に立てた人間として扱われる。すなわち「天才」のマイケルバーリがこの仮説「サブプライムショックが起きる」ということを発見した。この段階では仮説であり、彼はその仮説を基にして行動していく。
2. マーク・バウムたち
彼らはあることをきっかけ(ジャレド・ベネッドの紹介)に、この仮説の存在を知る。数多の人間たちがこの仮説を捨てたが、彼はこの仮説を検証するために実際に現地に行き、調査し、この仮説が正しいらしいということを察知する。この"調査"はバイアスを捨て、仮説を正当に評価するために必要なプロセスだったと言える。
3. ジェイミーとチャーリー
彼らもあることをきっかけにこの仮説に気づく。彼らはこの仮説を妄信するが(サーベイ必要)、彼らなりの方法でもうけを最大化しようとする。彼らはこの仮説を下敷きにさらに工夫を加えることでリターンを最大化しようとした。
(4. ジャレド・ベネッド)
彼はこの仮説が正しかろうが、正しくなかろうがもうかるというプレイをしている。強い。
確かバウムに何故お前が賭けないのか?的なことを聞かれてたような。
結局、Peter Thielが言うようにほとんどの人が賛同しない真実を知っているかということは成功するために非常に重要である。多くの場合はバイアスから逃れることはできない。ここでマイケルバーリが示したように執拗にバイアスをすて、データを眺めるということは一つの方法であろう。バイアスにまみれていると見えないものが見えたり、見えるものが見えなくなったりするのが問題であるのだが... しかし、多くの場合、このような仮説は存在もしないし、見つけることもできない。凡人の我々ができることはある天才か狂人か詐欺師が見つけた仮説を知った時に、バイアスを捨て、それに対してどのように取り組むかということである。
今回の例は本当に希有な仮説が「真」の場合であり、こんなものは極稀にしか存在しない。