ライムンドゥス・ルルス
ライムンドゥス・ルルス(Ramón Llull、1232年頃 - 1315年/1316年頃)はカタルーニャ生まれの哲学者、論理学者、修道士であり、キリスト教宣教師としても活動していました。
彼は中世思想史において重要な位置を占めており、特に彼の「アルス・コンビナトリア(結合術)」と呼ばれる思考体系が有名です。
この体系は、論理と組み合わせを用いて知識のすべての領域を統合しようとする試みであり、多くの分野に影響を与えました。
ルルスのアルス・コンビナトリアは、基本的な命題や概念を組み合わせることで新しい命題や概念を生成する方法を提供しています。この方法は、後世の計算機科学や人工知能、そして現代の論理学にも影響を与えたと言われています。
ルルスは、特にキリスト教宣教の文脈でこの体系を使用しました。彼の目標の一つは、イスラム教徒やユダヤ人など他宗教の信者をキリスト教に改宗させることでした。ルルスは、アルス・コンビナトリアを用いて宗教的な対話を進め、キリスト教の教義が合理的に優れていると主張しようとしました。ただし、彼の方法が広く受け入れられたわけではありません。また、ルルス自身も最終的にはイスラム教徒によって殺されたとされています。