VRにおける実写コンテンツの制作方法
実写コンテンツは,VRアプリケーションというよりは360度動画のことであり,実際の映像を撮影してVR化したものである.
実写コンテンツは,360度カメラおよび映像編集ソフトを用いて制作できる.
360度カメラは,「全天球カメラ」,「全方位カメラ」とも呼ばれ,基本的には2つの魚眼レンズを前後に配置し,上下左右の全方位を一度に撮影できるカメラである.
360度カメラは,Ricohの「Theta」シリーズ(図3)やGoProの「Hero」シリーズなど多くのメーカにより開発・販売されており,比較的安価で入手できる.
360度カメラで撮影した動画(MP4形式)は通常のPCの動画ビューアで再生すると,全方位に映る全ての対象物が2次元に収められたような映像となるが,HMDに転送し再生することでVR動画として視聴できるようになる.
もちろん,AdobePremierePro等の通常の動画編集ソフトウェアで編集することもできる.
この動画をQuest2にてVR視聴する場合には,動画ファイルをPCとUSB接続により転送する.
Quest2側でデータアクセス許可/不許可についてのダイヤログが出現し,これを「許可」すると,WindowsOSではコンピュータ上にQuest2のドライブが出現し,また,macOSにおいては「AndroidFileTransfer」を介すことでファイル転送が可能となる.Quest2上では「ファイルビューアー」において転送したファイルを指定することでVR動画を再生し,没入感のある映像を視聴することができる
当然,頭の角度や動きに合わせて映像も変化し,風景や対象物をリアルに知覚することができる.