注意の認知心理学
UTokyo OCW (OpenCourseWare) 注意の認知心理学
視覚は非常に高速に高度な情報処理が可能
でも低速で頼りない情報処理だと思ってしまうこともある
2枚の絵を交互に提示する、間違い探しタスク(アハ体験)
その二面性を実現しているのが「注意」
https://gyazo.com/695a23418c131ae59d297afbf89a53e8
「何かを効率的に扱うため、それ以外のものから手を引くこと」
この定義は現在の心理学でも変わらない
視覚的な注意
目を特定の場所に向けているからといって、注意しているとは限らない。眼球運動を測定しても注意を調べたことにならない
Posnerの注意の存在証明実験
https://gyazo.com/872dbaf02bb56234a9ebf055dbedaff0
真ん中の注視点を見続けてもらう
先行手がかり(太枠)のところにアスタリスクが出てくる確率が8割、逆に出てくるのが2割
https://gyazo.com/6f28cfccb48e0cef491a645beccc7a8e
手がかりがどちらにも出ない場合と比べて、手がかりが出た方に標的が出ると反応時間が下がる(利得)
手がかりが出なかった方に標的が出ると反応時間が増える(損失)
視覚は高度に並列的であるが、その並列機構の上に逐次的な"注意"機構を伴っている。
https://gyazo.com/f2429df088dcfa21395794f4760ba93b
関係ありそ〜〜
視覚探索
ウォーリーをさがせのようなもの。注意研究の代表的実験パラダイム
ポップアウト。右上がりの緑の斜線を探せ。右下が明らかに探しにくい
https://gyazo.com/d6eb1ac4bbeb3404bd6d43749385d401
https://gyazo.com/7c2e5dee536860e9de25bbeeed0b2fde
並列探索:O(1)のもの。逐次探索:O(n)のもの。ポップアウトしていると並列探索になる
特徴統合理論:IITのようなもの。注意のスポットライト仮説
https://gyazo.com/56c73c51518a111388ed4b43db1fe75d
なぜ注意が必要か?
必要な情報を残し不要な情報を捨てる、処理のボトルネック
意図的・意識的な情報の増幅・強調を含む、記憶や行動との橋渡し
これ確かに
同時に注意を向けられる場所には限界があるよ
複数オブジェクト追跡(Multiple Object Tracking: MOT)
8~10個のオブジェクトのうち、指定された4つの項目を追跡する
5個までなら85%の精度で可能
標的融合(Target Merging)
↑のオブジェクトが2つずつ線でつながっているだけ。あとは同じ課題。なのに一気に難しくなる
https://gyazo.com/2b6b67babd29fcfb5500001155159c17
一つのオブジェクトではなく、あるオブジェクトのいち部分を追跡する課題になってしまう。そうすると急に難しくなる
注意の単純な数的限界の議論は無意味。状況によって変わる
Change blindness
我々は思っているより変化検出ができない
映画製作者は、いろいろ矛盾があっても観客は意外と気が付かないことを経験的に知っていた
視覚系のモデル:三極構造
https://gyazo.com/7fbd961bc6474878263a2f1193f00b46
初期視覚から、オブジェクトを注意によって抽出する
それとは別に、レイアウトやジスト(雰囲気。「スポーツの写真だ」「宇宙の写真だ」など)は一瞬で認識できる