デザイン人類学
人類学によるデザインに向けて
――新規サービス「メルカード」のデザインプロセスを事例に――
とても良かった。企業での実践と人類学的語り口を綺麗に結びつけられる点、企業でのデザイン実践も人類学的営みとしていいんだという点、このデザインリサーチの過程において確かに人類学的考え方は(直接役に立つ、とまでは言えないけど)インスピレーションの源になりうるなという点。
デザインと人類学の共通点
人と環境(社会、空間、コミュニティ)との関わり方を観察し、それによって初めて問題解決をしようとする
エスノグラフィ:人類学から出てきた手法。最初はエスニックな集団をターゲットにしていたが、だんだん小集団がターゲットに。学校の中、病院の中などのエスノグラフィが始まる。それがデザイナーの営みに近づいてる
モノの導入が人を変えていく。創造性と、それによってもたらされる変化、また創造性を生み出すための手法に人類学が最近近づいてる
高度な専門性が必要な領域を含んでいるのに、成果物が人間生活全般におよぶ
デザインと人類学の相違点
デザインは介入が前提になる。介入しなかったらデザイナーの意味がない。だが人類学は、自分が影響を極力持たないようにする
同じような問題に取り組んでいるが、指向性が↑のように違うため、デザインは未来に圧倒的に大きなインパクトを生むが、人類学のアウトプットはいつも論文とかだからワンクッション挟まる
作られたものを見てそれを批評的に扱うことはできる。しかしそこにいながら改善することに直接関与することは得意ではなかった
デザイン人類学の挑戦
製品開発の中に人類学者が入ることで、後から見たときに批判される対象になるリスクを減らす。collaborative future making
人類学における介入の仕方を考えていく
デザイン人類学者は研究者としても振る舞うが、同時にファシリテーターであり
ニューヨークでのフィールドワーク
シカゴでの2年のフィールドワークの後「とりあえず10年はここでやってみよう。10年で何も出なかったら諦めよう」と思って取り組み始めた
すさまじい覚悟だ
いかに問いが壊れていくのか、その中でいかに問いを立て直すかが大切