ジョブ理論
#単語帳
本。
作者の問い
「どんな〝ジョブ(用事、仕事)〟を片づけたくて、あなたはそのプロダクトを〝雇用〟するのか?」
に関する本。この考え方はしたことなかった。やたらタスク志向だな。
企業は多くの時間と資金を投入して、大量のデータを駆使したモデルを整備したものの、その結果、説明の達人になっただけで、予測の能力は向上しなかった。
これは「事実だけを話す」とどう関係するんだろうか。
ミルクシェイクの話
ミルクシェイクメーカーは、ミルクシェイクの典型的な客に「どこをどう改善したらもっと買いたくなりますか?」と聞いていたが効果がなかった。著者らは「客に起きたどんなジョブがミルクシェイクを雇用させたのか」という問いを立てることで新たな切り口を提供した。
朝の通勤客は、ドライブの途中で朝と昼の間に小腹を満たせるものを探していて、ライバルはドーナツやコーヒーなど。
小さい子供を持つ親は、子どもに与えられる手軽なご褒美を探していて、ライバルは玩具店に寄ることやキャッチボールをすること。
それぞれのジョブをよりよくするためのミルクシェイクを開発できる。同一人物でも、抱えているペインが異なる。
↑これはユーザーストーリーの話だが、UXの課題を洗い出すためではなく新規商品のためのアイデア出しの方法として機能している。
ジョブから得る知見は壊れやすい。なぜなら、数字ではなくストーリーだからだ。顧客に付随する特性を分解し、「男性/女性」「大企業/中小企業」「新規顧客/既存顧客」などのバイナリーデータに分解する段階で、その意味は破壊される。
質的研究讃歌じゃん
もっと重要で手強い競争相手は、「無」すなわち無消費だった──人生のその段階で、さらなる教育を受けないことを選択している人々。これに気づいたとき、有限のパイを奪い合うように見えていた市場が、突如として手つかずの広野に変わった。相手は「無」、競争したくない者がいるだろうか?
このレトリックは痺れる。ない需要を呼び起こすということだから、なかなか体力が必要になることだとは思う。