ポイントで購入する永遠の命
宝くじ売り場のような掘っ立て小屋の中に、「永遠の命」を販売しているオッサンはいるんだってば。
まんまるの顔にシルクハットに近い黒い帽子をかぶっている。玩具みたいな外見だ。
左の義眼は、魔法ソナーであることは明白だった。無駄に十字が飛び出ているのは魔法技術によくありがちな姿だ
「永遠の命? あんたほしいんだぁ…」
上品ではないが、さりとてどうしようもなく下品でもない声で言う。中華料理屋に貼られているビール持った水着のグラビアアイドルを「へぇ、夏らしい元気さじゃない」と言うようなテイストだ。
「うん、売ってるよ。あー、でも、金じゃ買えないから「売る」って言っていいんかな?w」 どういうことだろうか
「んー、例えるのが難しいけど、ポイント制ってやつだね」
上手く例えたな
「例えば人を恨んだり殺したり思うようになる。それを世界は許さない。その間にもきみは世界から殴られいじめられる。そして鬱屈は溜まっていく。暴力性が目ざめていく。妄想が、現実になっていく。現実が、妄想に侵食されていく。まぁそれも単なる妄想に過ぎないんだけど」 (続く、未完