wrm感想 491号 Q、共著について
Q.共著で書かれた面白い本があれば、ぜひ教えてください。
村上春樹 柴田元幸「翻訳夜話」
同 「翻訳夜話2 サリンジャー戦記」
同「村上春樹 翻訳ほとんど全仕事」
同「本当の翻訳の話をしよう」
ふと思ったが、このQは「対談本」ではないな
共同でひとつのテキストを編み上げるという話か
「ひとりの別の著者に生成変化」というところだと
ぱっと思いついたのがエラリィ・クイーン
そんでもって、語学書・科学書・医学書の類なら、共著は当たり前なんですよね
おそらく、それは「思想」とか「思考」「嗜好」を扱うジャンルじゃないから
じゃあよけいにクイーンはなんだってんだ、って話になる
他人の思考が必要で、それで自分の思考を耕す必要がある
じゃあ耕したらそれでokよって話でもあるまい
むしろそこからの「更にお互いに耕す」っていうことも必要なのか
でもそれって対談本でも同じよね
「共同でひとつのテキストを作る」っていうこと
あ、思い出した。自分は、創作箱庭神話をやってるのだけど、自分は原案というか企画だけど、相方的存在の人(イラスト描き)がテキストを書いてきてくれるときがあって、それを「原案相方」っていう形でupるときがある
それは、相方のテキストが、この創作箱庭神話のキャラの「声」を完全に聞き取ってくれてるからできることでもある
文体的にも、キャラヴォイス的にも
今考えれば、これが成り立ってるの、自分らには当たり前になってるけど、不思議だな
もっと考えてみよう
まず、創作箱庭神話は、あくまで自分(残田)がはじめたということ
なので相方テキストは二次創作になる。本人も「異聞テキスト」「二次創作」とはっきり名言してる
さらに、その決定権を残田に委ねてくれてもいる節もある。
これって相方の度量すごすぎじゃないか
で、自分も自分で、相方に特権的立場を与えている。
仮に他の読者が「おんなじように採用してくださいよ」話をしても、「あなた相方じゃないでしょ」と返しそう
いちおうシェアードワールド的な箱庭神話をしてるけど、この「相方だけ特権的」っていうのは、不思議といえば不思議
あ、わかった、やっぱりTRPGセッションなんだわ
そして相方をサブマスター、サブGMにしている
そうして、仮に上記のやりかたはやっぱり参考にならんと思う。
なぜなら、倉下氏が仮暫定案としている「小さく決めて小さく実行」は、この時点からしてやりにくい
自分が創作神話をはじめて、相方に説明するまで、10年以上はたっている
それだけ、自分のなかで創作神話が熟成されてからの話なので
自分のなかで完璧に「動かせる」ようになって、はじめて相方は参画してくれた
「制約」に関していえば、その通り
自分らのこの箱庭神話にしても、制約ということで、結構悩んだところはある
なにせ、企画主は自分なので、決定権が常に残田にあるということは、相方にとって最後まで「相方オリジナル」にはならないから
そして自分は制約を結構提案したけれども、相方は常にそれをやんわりしりぞけていたような気がする
極論、「短めの本を、二人の負荷が小さい形で書きすすめる」というのは、合議制、及び合議精神によって成り立ってるとは思うけれど、逆に「お互いがお互いを気遣いあって、牽制しあって」のところに落ち着いてしまいかねないように見える
共著者はどちらも、お互いの思考の「侵食的破壊」を望んでいるのだろうけど、共著者も個人と個人である。仲違いはしたくない
人間関係
自分と相方の場合、知り合って今年で11年になる。
相方を創作神話に巻き込んだのが、知り合って6,7年目か
それまで自分は、まるで自分の創作神話の説明を相方にせんだった
なんで相方が自分の創作神話に付き合ってくれてるのか、実は未だにわかっていない
「面白いから」と自惚れるわけにはいかないけれど、どうにもいろいろ状況を見たら、そうとしか言えないというか、本人からもそれ以上の言葉を聞き出せていない
少なくとも、相方から、創作箱庭神話で「なにかの達成目標」というニュアンスを、今まで感じたことがないのだ
(これが今、この記事を打鍵していて、一番気づいて驚いたところだ)
これは、自分が「創作箱庭神話の創作的ゴール」も「利益的ゴール」も設定していなかった、という欠点はある
最近もホムペのチェックを相方に頼んで、そのときのネタが「創作神話の時系列設定」なのだけど、これを提示したのがほぼ先日だっていう恐ろしい話である
たぶん、創作的ゴールは、毎回のTRPG的セッションで良い気分になれたか否か、なんだろう
利益的ゴールについては、相方はそのあたりを云々するのは、嫌悪している節がある。これ、自分の方がまだ言及してる
言えるのは、残田が10年くらい書き溜めたテキストとか、妄想が、結構役立っているところで
相方がいろいろ問うてきて、自分は1分以内にそれを答えることができるし、参考テキストURLを示すこともできるのだけど、やっぱりこれは企画開始から1,2年の神話では、うまくいかなかったのかもな、という気もする
あと、この企画のすべてが「言語オンリー」だけでないというのもある。
相方を誘った理由が、自分の同人音楽CDのジャケットイラストを描いてください、って話だったから