リファクタリング・ウェットウェア
本
感想
名著では...。第1章だけでも読むと良い。達人プログラマーでお馴染みのAndrew Huntなので格言センスが良すぎる。各ページに散らばるTipsみたいなやつだけ拾い読みしても結構刺さる言葉が多いかも。 採用・教育・自己研鑽で悩みを抱える人にはピッタリ
メモ
人間が技能を習得し極める過程についての研究
『リファクタリング・ウェットウェア』の第1章
初心者はルールに、達人は格言に従う
レシピ = ルール。具体的なもの。その場でしか使えない。
格言 = 経験則。抽象化されたもの。応用が効く。
言語化能力の低い達人は教育が下手
教育は詰め込むのではなく学んでもらうこと
教育とは、引き出されるのではなく注ぎ込まれる何かのように、学習者「に対して」なされる何かだと捉える方がはるかに一般的です。この考え方は社員教育で特に目立ち、「シープディップ・トレーニング」という手法が用いられます。
学びとは、「人に対して」行われることではない。「人が」行うことである。
経験の伴わない、知識のみの習得は効果がない。
目的やフィードバックのない無計画なやり方は、一貫性のない結果を招きがちである。
自分は未熟者であると自覚する
素直な人に指導していると自分ができる人間であるかのように感じてしまう。自分がまだ未熟な身であることを忘れてしまう。
中級者が一番多い
メタ認知力の高さは能力に比例する。つまり能力が高くないと自分の実力を正確に認識できない、見誤る。
ルールから直感へ
専門技能の習得に必要なこと
明確に定義されたタスクが必要である。
タスクには適度な難度(やりがい)が必要だが、実行可能でなければならない。
周囲から、行動のよりどころとなるような有益なフィードバックが提供されなければならない。
復習のための繰り返しの機会が与えられ、またエラーを修正する機会も提供されるべきである。
命令にただ従うだけの中級者を次のステップへ
中級者の周りに上級者を配置
まねできる相手がいると良い
フィードバックを繰り返す
経験の伴わない専門技能は存在しない
MGに新人3人が限界。チームの強さは最も弱いメンバーの能力になる。
読書での学習。浅く広くから(概観)、深く(気になる点を挙げ調べる)、行動へ移す(実践)。
ノートをとる、ドキュメントを作ることで心の準備ができる。それが良い直感に繋がる。
その場で暗記する必要ない、忘れても大丈夫という保険が心の余裕を生むのかも。
経験: 上手に失敗する
自分自身に失敗の許可を与える。その道の先には成功が待っている
失敗が許される範囲を定める
難しい環境を体験して今をより簡単に感じるようにする(RubystがC++を使ってみるとか)
優秀な人たちに囲まれて真似る
問題を解決するには、自分自身に次の質問をしてみてください。
分からない側面は何か。
何を知っているか。どういったデータを持っているか。
どのような制約およびルールを適用できるか。
指示からよりも発見から深い学びを得られる
これがインナーゲームの一大秘訣です。細部ひとつひとつを正すことに力を注ぐのではなく、気づきさえすればよいのです。第一段階としてありのままを受け入れ、それを意識することです。審判を下してはいけません。すぐに答えを求めたり、非難したりしてはいけません。判断を下さない「気づき」の能力を養いましょう。いきなり手直しにかかるのではなく、おかしいところを認識するのです。直すのはそれからです。
我々は「情報」を手に、時間をかけ、注意を向け、技能を駆使して「知識」を生み出します。
知的労働者は出勤して会社にいることと仕事をすることは違う。休日に散歩してる間に仕事することもできる。
一人前のエンジニアは記憶している知識が膨大なのではなく、過去の経験から良いコードや設計などの課題解決に役立つパターン認識を身につけているだけ