知的生産の技術系本の連なり
知的生産の技術系の本を読んでいて面白いのが、第一世代だと(情報)カード法はとても良いという話がされていて、こっちも「ふむふむ、良さそうだな」と感じるんだけど、次の世代の本だと「あの本にカード法が良いと書いてあって、実際やってみたけどうまくいかなかった」と書かれていたりする点。 そこでは自然な相対化が行われているし、「なんで、そうなるんだろう?」という新しい疑問も浮かぶ。でもって、そこには知の連なりが感じられる。それを掘っていけば、「情報を扱うってどういうことなんだろう」という風呂敷を広げていける。
その点、現代のビジネス書は、それぞれが独立的に書かれていて、他の本の知識を参照していないので、知識の連なりを掘り下げていけない。たぶん、批評性も成り立ちにくい。存在するのは全否定寄りの「ああいうビジネス本はダメだ」というスタンスで、良い部分の掘り起こしがまったくない。
なんちゅーか、めっちゃ狭いフィールドなわけだ。もちろん、「いや別に、広いフィールドなんて求めてないんですよ」という回答はあるんだろうけど、個人的にはそれではちょっと面白くないよなとは感じる。
別に学術的な態度が偉いとかそういう話ではなく、単に情報はつながっていた方が面白い、というだけの話です。
別の言い方をすると、情報の連なりがあると、「シリーズもの」(であるかのように)読める、と。