板坂元の執筆ノート術
私自身が何か大きなリポートなり一冊の本なりを書くとき、いちばんはじめにすることは大判の大学ノートを買いむことだ。ノートは点線が入っていて、あとで切り離せるようになっているものがよい。それに穴が空いていて、ルーズリーフとして使えるようになっていれば、ますます都合がよい。 このノートに、右の「知識の整理」を落書きのようにしてすることもあるし、あとで新聞や雑誌の切抜きをするときには、スクラップブックの役目も果たす。予定表も、落書きも、とにかく、これから書こうとしていることに関係のあることがらは、このノートを台帳にして進行するようにしている。新書一冊分ぐらいの仕事なら八〇枚綴りのノート。四百字詰め原稿用紙で一〇〇枚ぐらいのものなら、五〇枚綴りのノートで間に合うようだ。第三章に紹介するノンストップ法とか、第四章でとり上げるインタビューなども、このノート一冊を使うようにして、余計なファイルなどなるべく作らないようにするのが要領である。