拡散的思考・収束的思考
拡散的思考は固定概念にとらわれず、新しい発想を自由かつ無数に生み出していくことで、収束的思考は論理を積み重ねて1つの最適解を導き出そうとすることである。創造性とはこれらの相互作用によって導き出されると大黒氏は話す。 「創造性とは『新規性』と『価値』の両方を満たすもののこと。ピアノの鍵盤をでたらめに叩いただけでは、『新規性』はあっても『価値』がある曲とはならないように、アイデアがただ広がるだけでは足りません。自由に広がった発想を冷静に見つめて価値があるのかを検証する思考のプロセスが必要です。創造性は、脳が拡散的思考と収束的思考というある種の相反する思考を交互に繰り返すなかで、一種の『思考の揺らぎ』としてもたらされると捉えています」
グラハム・ワラスによる「創造性が生まれる4段階」
ステップ1準備期 問題設定とその解決策の立案
ステップ2あたため期 問題から一度離れる
ステップ3ひらめき期 新たな発想・解決策が突然降ってくる
ステップ4検証期 明確な思想の完成
米ハーバード大学の脳科学研究者、ロジャー・ビーティー博士らが、脳内の3つの活動ネットワークと創造性の関係性を明らかにしたものだ
デフォルト・モード・ネットワークは内側前頭前野を含むネットワークで、自由で創造的な思考・発想を広げるときに活動し、エグゼクティブ・コントロール・ネットワークは前頭前皮質背外側部などを含むネットワークで、明確なゴールのある思考の際に活動する。前者が拡散的思考に、後者が収束的思考に関係する脳内ネットワークで、2つの仲介役を果たすのがサライアンス・ネットワークである。
Salience Network