投票率を改善目標にするのは違うでしょ
現在の低い投票率は、政治に関心がないとか、誰に投票していいのかわからないという状況を示す一つのデータであるわけで、そこに目を向けずに投票所に人を集めて短期的に投票率を向上しても得るものは小さいだろう。にも関わらずその改善した人が評価されるという歪みもある。 たとえばそのデータは、名前を連呼するだけの選挙活動を改めて、政策を訴えたり公共の場で議論したりすることを促すために参照されるべきものだろう。もちろん、そんな改善では短期的には投票率は向上しないだろうけども、目指すべきはいかに関心を持ってもらい、考えた上で投票してもらうかなはずだ。
でなければ、投票率はあがったけどポピュリズムがより強まっただけでした、みたいなことになりかねない。そうなると、うわべだけの公約がよりいっそう強まっていくだけで、ますます破綻が広がってしまう。 KPIとかで投票率を見て、その数字をあげることを目標とするならば、やっぱりそれは駄目なんじゃないかと思う。何かしらの結果として、投票行動が増える、というのならともかく、投票率が改善したら中身はなんでもいい、というのは民主主義とは関係ないものができあがるだけだろう。 何らかの誘因的なもので投票行動を促して投票率を上げたとしても、自分と社会の関係について考える人が増えていなければ、あんまり意味ないんじゃないかな、とは思う。