意志なきリンクがたくさんあっても嬉しくない
バックリンクとは、「自分が見ているノートそのものを参照しているファイルに行くことができるリンク」のこと。
a backlink is a link that allows you to go to files that refer to the very note you are looking at.
アルゴリズムで作る場合でも、惰性で(習慣で)作る場合でも、どちらも自動で作っていると言える。
メモをつなぐのは簡単でも、知識をつなぐことはそう容易い作業ではない。そして、「結論と前提を結びつけて論証を作ることは、ある種の知識」と言える。
バックリンクは、知識をつなげることには貢献しにくい側面がある。リンクがあるだけでは、そのリンク先のページが、このページとどのような文脈的関係性を持っているのかが把握できないから。
逆に言えば、その文脈的関係性を説明することが、知識をつなげることを意味する。
リンクがある場合、私たちには選択肢がある。それと共に機会費用も発生する。その機会費用も脳は暗黙に計算して、リンク先にジャンプしたり、しなかったりする。
特に理由もなくリンクを踏んで回ることは、生産的な行為とは言えない。
良いリンクとは、手動でリンクを貼ること。そして、「 未来の自分に、リンクをたどる理由を与える」こと。悪いリンクは、ただ漠然とリンクをはること。そうするとリンクの意味がぼやけてしまう。
漠然と増えていくリンク(バックリンクはそうなる)は、むやみやたらに選択肢を増やし、認知資源を損耗させる。
ネットを適切に利用するのが難しいのはリンクの誘惑があるから。自分のノートシステムにおいても、リンクが整備されていなければ同じことになる。
バックリンクは、文脈(コンテキスト)がほとんどないか最小で、自動バックリンクとなると「soulless machine」の選択の結果である。
バックリンクの機能は、「知識をつなげること」に注意を向けることをせずに、むしろ「リンクを張ればいいのだ」という表面的な行為に注意を向けさせるので、あまりよろしくない。