執筆に必要なアンビバレントさ
本の執筆ではいつも、繊細さと大胆さの両方が必要です。地道な歩みと素早い動きの両方が必要です。自分の判断を頼りにするときもあれば、自分の判断をあえて捨てるときもあります。そういった矛盾に満ちた状況が、本を書く仕事には付きまとうようです。これは、『数学文章作法/執筆編』に書いている話でもあります。
一つの「仕事」を成し遂げるには、両極端な二つの要素が必要になることがある。
繊細さと大胆さ
地道な歩みと素早い動き
自分の判断、他人の声
直感的処理、論理的処理
過去の経験を生かす、新しいチャレンジに飛び込む
簡単な敷延は危ないが、それでもこれは人が生きる上で必要なことと重なるだろう。
一つの原理だけで物事にアプローチするのは危ない
アクセルだけのクルマ、アクセルだけのブレーキ
本能だけの人間、理性だけの人間
n個のエンジンを持つこと
逆に「一つの原理」しかみとめない立場であれば、これらは矛盾していたり、アンビバレントに見える。 その見方は、実は視野がかなり狭いに過ぎない。
課題があるとすれば、「今これは、どちらを使うのか」という判断が必要なこと。
その判断は、経験によって育まれるのだろう。