執筆における本番書きについてのメモ
本番書きとは
文章中に「HERE(ヒア)」という印を埋め込んでおき、それよりも上にある文章は書籍として刊行しても構わない状態にする書き方を「本番書き」という。
文章を固めるとは、書くことについて「決める」こと
どうして収拾がつかなくなるかというと、文章を書く際の「決断」を後回しにしているからです。決断・覚悟・判断・決定……なんと呼んでも構いませんが、ともかく「決める」ことを後回しにしている。これでは文章がいつまで経っても固まりません。
文章を書くことは、さまざまなことを決めていくこと
「文章を書く」とは、さまざまなことを「決めていく」行為にほかなりません。
・「よし、この章の方針はこれで行く」と決める。
・「この概念の用語はこれにする」と決断する。
・「説明は後回し。まずは例を提示しよう」と定める。
・「Aはボツ。Bにする」と判断する。
そのような決めごとを一つ一つしていかないと、文章は前に進みません。
タスク管理的な情報処理のプロセスが役立つのは、こういう側面が大きい。
GTDや促しているのも、まさにこれ。
一つひとつ「決めていく」ことが、どこかの段階では必要になる。
その段階に至るまでは、いろいろ広げていくことも有効である。
GTDにはその示唆があまりないのではないか?
必然的にこれは、何かを捨てていくこと(別様でありえるかもしれない可能性を消していくこと)でもある。
そんな現象がときどき起きます。山のこちら側からトンネルを掘っていったら、向こう側からトンネルを掘っていた過去の自分と出会ったような、そんな気持ちになります。
HEREを前に進めること
『数学文章作法 推敲編』の「ローラー作戦」
戻ることもある
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