人の振る舞いを規定する4つの原理
1.人間の行動を規制するものは、法だけではない。倫理・道徳、規則(押し付けられる私法を含む)、市場(貨幣経済、信用経 済)、そして、コンピュータのソフトウェア、インターネット・プロトコルなどの通信手段である。
2.コードとは、レッシグによると、コンピュータのソフトウェアがユーザーをコントロールしている規則である。つまり、インター ネット空間も自由ではなく、さまざまな規制の網の目がある(→それゆえそこから自由になるサ イバーパンクという思想が生まれる。またレッシグ自身も参加する「ク リエイティブ・コモンズ(Creative Commons)」も生まれるわけだ)。
3.つまり、サイバースペース上では、「ネット上の自由」をめぐって、コードによる規制や囲い込みを促進させ管理や利潤をあげよ うという勢力と、なるべくコードによる規制や囲い込みを最小限にしつつ(コードそのものが「ネット上の自由」を保証するために規制 や囲い込みがゼロになることはありえない)、クリエイティブ・コモンズ派や、クリエイティブ・アナキスト派が登場することを許すようになる。
4.法律は、運用コントロールが完全にならないような措置が意図的あるいは恣意的におこなわれる。フェアユースでコモンズの悲劇 が生まれないような市民のコード(例:お花見の場所の占有は早いものがちで、お花見が終わると撤収するという不文律がある。また、それを破ると社会的に非 難なれるし、また子供たちにはそのように訓育される)があったり、警察の恣意的な見逃し(例:制限時速の10キロオーバーで市民は走行するが、パトカーが くると、みんな制限速度を守りだす)がある。私的な複製は著作権の侵害にならないのも、見逃しや権力による寛容の一種だとみなされている。
5.もし法律に、そのような自由を保証する隙間があるのなら、コンピュータのソフトウェアがユーザーをコ ントロールしている規則、つまり、コードにもそのような「規制」が必要になる。
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