不機嫌のコミュニケーションコスト
不機嫌とは、コミュニケーションのコストを一方的に相手に押しつけることである。 たとえば、不機嫌な顔でブツブツ文句を言っている人がいたとする。その人に何か話しかけるのは、相当に気を遣う。どういう言い方がいいのか、相手の逆鱗はどこなのか、慎重に考えなければならない。
だからたいていは話しかけることそのものが忌避されるわけだが(不機嫌さはバリアであるとも言える)、何かしらの事情で話しかける場合は、そのためのコストを自分で支払うことなく相手に押しつけていることになる。これは、ちょっと子どもっぽい振る舞いだ(必ずしもそれが悪いというわけではない)。
一方で、機嫌の良さは、それとは逆の働きを持つ。こちらが機嫌よくあることで、相手が支払うコストを押し下げている。当然、コミュニケーションは発生しやすい。 この違いは、他者との協力や知識の共有といった点で、大きな違いを生み出すだろうし、たいていの機嫌の良さは相手にも伝染するので、その共同体や組織にも違いを生み出すだろう。
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