ボツになるアイデアは見えない
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ここから、アイデアについて大切な教訓が得られます。 私たちが普段よく目にする「素晴らしいアイデア」は選り分けが行われた結果を目にしているに過ぎません。その裏側には失敗作なり不出来なものが存在しています。しかし、その存在を私たちは目にすることがありません。自動車メーカーが新車発表を行う際に、没になったデザイン案を発表することなどないでしょう。他の人が生み出したアイデアについて、私たちが知ることができるのは、「素晴らしいアイデア」として認定されたものだけです。
しかし、「素晴らしいアイデア」の裏側には大量のあまり良くないアイデアが生み出されていたはずです。多くの人々が日常的にいろいろなことを考えていることを考慮すれば、まったく新しいアイデアが生まれる確率は相当に低いものです。大抵は、他の人がすでに考えていたり、あまりぱっとしないものでしょう。そういうあまり良くないアイデアがたくさん生み出される中で、一つか二つぐらいの「素晴らしいアイデア」が生まれるわけです。
倉下 忠憲. Evernoteとアナログノートによる ハイブリッド発想術 (Kindle の位置No.348-357). 株式会社技術評論社. Kindle 版.