ペルセポネ効果
私の同僚ジーン・クイックとジョー・フィッツジェラルドの造語に「ペルセポネ効果」というのがあります。このように有益な科学を邪悪な目的のために拉致することをいいます。ギリシャ神話のペルセポネは無垢な乙女で、ある日野原で水仙の花を摘んでいるとき、黒いチャリオットで飛び出してきたハデスにさらわれ、黄泉の国へ連れていかれました。母親の女神が取引をして、彼女は年に6カ月は地上に戻ることを許されましたが、そのあとは時間の半分を闇の力に奉仕して過ごすのが常でした。もし科学が大量破壊兵器へ向かう道であることが明らかになれば、研究界に対する人々の信頼をその経験から救い出すことはとても難しいであろうことは言うまでもありません。ここでも、私が言っているのは合法的な科学のことです。テロリストによって邪悪な目的に使用される同じ研究が次の医学上の進歩をもたらすかもしれません、エクトロメリアウイルスと同じで研究者らが予測しなかったようなものかもしれません。しかしひとたびそういうことが起きれば、バイオサイエンスの評価を回復するのは難しいでしょう。
ある有用な技術(テクノロジー)が、人類に害を為すために用いられること?