ノウハウ本に溺れる人
倉下さんのこのScrapboxに書かれていた「ノウハウ本に溺れる人」という表現が興味深い。「ノウハウを過剰に求める」「裏技を過剰に求める」「コツを過剰に求める」というのは何か深い共通点がありそう。(続く)
単純に考えると「ものごとをうまいこと進めるためには、必ずコツや裏技があって、それを知ることによってものごとはうまく進められる。そのコツを教えてくださいよう〜隠さないでくださいよ〜」というシンプルな考え方をする人はいそう。でも、それだけではないとも思う。
「自分を観察することの欠如」があるように感じる。自分がどんな能力があって、どんなことが得意で、現在どういう状態になっているかということを抜きにして、「そのコツ」さえ手に入れたら、すべての問題が解決し、ものごとがすべてうまくいく、というイメージを持っていないかどうか。
本来ならば、自分の現状を把握して「私にはこれができる」「私にはこれはできない」「私は少し助けてもらえばこのくらいできる」という知識こそが大事で、その知識を専門家に伝えると、そのとき本当に「自分にいま必要な知識」を得ることができるのではないか。それを失念している可能性。
もしかしたら、自分の現状をあえて見ないようにしているのではないか。何かを行う主体であるはずの自分をないがしろにして、手段だけを求めようとしたくなる。それは、深いところで何かひっかかりを感じる。とっても大事な主要因(自分)を無視してものごとが進むはずはないのに。
結城の現在の発想だと、学ぶときに必要な大原則《自分の理解に関心を持つ》に結びつけて考えたくなる。自分がある項目を理解しているかどうか知らないのに、知ろうともしないのに、それを実現するためのコツだけ求めて何になろうか。そういう話。 体の不調を、何でも薬を飲んで解決しようとする人
対処療法自体が悪いわけではなく、常に、の部分が問題
「自分のトリセツ」が不足しているので、ひとつのノウハウでは解決できず、結局次から次にノウハウを漁ることになる