ノウハウにおけるルール規定について
安定的な基盤がある状態でのルールの提示は、遊び心による逸脱を誘うかもしれない。つまり提示されたルールについて別の仕方を試みる人が出てくる可能性はある。
しかし、安定的な基盤がない状態では、遊ぶ心が起きず、逸脱を禁じた状態で、つまり「言葉通り」に受け取られる可能性がある。それはそれぞれの人に向けてのアレンジを禁じる風に働くだろう。
「自由であれ」、「逸脱せよ」というルールの提示はどうか。それはルール足りえるか。エピメニデスのパラドックスに近いものを感じるが、あるいは禅問答のような働きが期待できるか。 これがパラドックスに見えるのは、ドメイン(あるいはレイヤー)の混同があるからだろう。
作文において制約を設けることで、むしろ独創性が促される、という観点と同様に情報整理においてもゼロベースで自由に組み立てるよりも、むしろ有効な制約を設けることで、「その人の整理の軸」が立ち上がる、ということは十分にありえる。そうした観点から、整理のフレームワークを検討したい。