チェスタトンのフェンス
チェスタトンのフェンスとは、なぜその仕組みがあるのかがわからないうちは、その仕組みを変えるべきではない、という考え方であり警句である。G・K・チェスタトンの著書『The Thing』のなかの「家庭生活からの漂流」(The Drift from Domesticity)にある、次の一節からきている。
何か物事を刷新するときには、単に変化だけ起こしたいというのでなければだが、パラドックスに聞こえるかもしれない、単純で明快な原則というものがある。具体的には何かの制度や法律のことだとしても、ここでは話を簡単にするため、道をふさぐように建てられたフェンスやゲートを例にとって考えてみよう。現代的な進歩主義者であればあるほど、このフェンスに足音高く近寄ってきて、こう言うだろう。「何のためにあるのかわからない。片づけてしまおう」。それに対して、真に知的な進歩主義者であればこう切り返すはずだ。「何のためにあるのかわからないなら、片づけさせるわけにはいかない。出直してくれ。しかしもし戻ってきて、そしてこれが何のためにあるのか説明できたなら、もう壊してしまったって構わないよ」