『文体解体新書』
文章を書く際は、とりあえず思いついたように書いてみて、それを「ふむ」と眺めて書き直し、自分が言いたいことに近づけていく、という手法が一般的なように思えます。で、その修正の仕方によって文章の個性が出てくるのだと想像します。
単純に考えれば、その際書き換えのパターンをたくさん持っている書き手ほど、自分の言いたいことに近づけられるでしょう。センスの引き出しがスキルなわけです。 そこで考えました。まず、たくさんの書き手を集めます。そして彼ら彼女らに生煮えの文章を提示して、どんな書き換えの候補が浮かんだかを列挙してもらいます。いわば、文章のリファクタリングの内部を開示してもらうわけです。 で、それを一冊の本にまとめて『文体解体新書』と名付け、そこから有用なパターンを抽出し、それをセンテンス・リファクタリング・パターンと名付けるのはどうでしょうか。実践的な文章作法の技術書になりそうな気がします。 おそらくレーモン・クノーの『文体練習』や、神田桂一&菊池良の『もし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたら』と同じ本棚に陳列されることになるでしょう。もし作ったとしたら、ですが。