『人類の意識を変えた20世紀』
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■20世紀の「大変動」を経て、人類はどこへ向かうのか■ 絶対的な時空・権力が崩れ、
相対的な時空・個の社会へと大転換した20世紀。
そして、相対性理論とキュビスムが、大量生産と大量虐殺が、
先端科学と魔術思想が、カオスと秩序が・・つながり合う。
〈大変動〉によって、人類の意識はいかに変わり、
どこへ向かおうとしているのか
文化・アート・科学を横断し、新たな希望を見出す冒険が始まる!
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::目次::
はじめに ◎ 暗い森を巡る冒険
第1章 相対性 ◎ 世界のヘソが消えた
第2章 モダニズム ◎ 割れた視点
第3章 戦争 ◎ 帝国の崩壊とテクノロジー
第4章 個人主義 ◎ 男も女も一人ひとりが一個の星
第5章 イド ◎ 操られる無意識
第6章 不確定性 ◎ 生きていると同時に死んでいる猫
第7章 サイエンス・フィクション ◎ 単一神話から複雑な物語へ
第8章 虚無主義 ◎ 生は絶望の向こう側で始まる
第9章 宇宙 ◎ 人類は月へ行き、地球を見つけた
第10章 セックス ◎ 女性を解放しなかった性革命
第11章 ティーンエイジャー ◎ 反逆者のジレンマ
第12章 カオス ◎ 自然は予測不能で美しい
第13章 成長 ◎ 経済と環境がぶつかるとき
第14章 ポストモダン ◎ 「知の底なし沼」から「確かさ戦争」へ
第15章 ネットワーク ◎ 他者とつながる力の未来
*詳細は下記の「目次を見る」をご覧ください
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::著者:: ジョン・ヒッグス
ライター。文化史家。『ガーディアン』『インディペンデント』などに寄稿。
新たな視点で文化・思潮を捉える手腕に定評がある。
既刊書『The KLF: ハウス・ミュージック伝説のユニットはなぜ100万ポンドを燃やすにいたったのか』(河出書房新社)など。
::訳者:: 梶山あゆみ
翻訳家。訳書は、イアン・スチュアート『自然界の秘められたデザイン』、
オリバー・ストーン&ピーター・カズニック『オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1』(共訳)など多数。
ある意味で「教養書」と言えるだろう。現代的な。
第一章「相対性」ではアインシュタイン、第二章「モダニズム」ではモダンアート、第三章「戦争」では皇帝の失墜と戦争の変化が取り上げられ、それぞれ「固定されたたった一つの絶対的視点」の消失という要素で呼応がとられている。
引き続き『人類の意識を変えた20世紀』を読書中。第四章「個人主義」第五章「イド」第六章「不確定性」。強固でたしかなものが崩れていき、不安定で捉えられないものが姿を現す。特に「個人主義」は、以降の章においても通奏低音になっている。
第七章「サイエンス・フィクション」第八章「虚無主義」第九章「宇宙」。個人主義の行き着くところは虚無主義であろう。また、地球が宇宙の中心ではないという認識もまた、私たちの存在のちっぽけさを突きつけてくる。それを埋めるかのように未来へのビジョンが語られる、という風潮はありそうだ。
第九章「セックス」第十章「ティーンエイジャー」第十一章「カオス」。個人に焦点があたることで、女性の立場にも視線が向くようになる。また、ティーンエイジャーとそれが好むカルチャーは見事に個人主義(とその背後に潜む資本主義)に見事に合致する。これは後の章の「成長」とも関わってくる。