『「手に負えない」を編みなおす』
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「言葉も、記憶も、インフラだったのか!」
地下鉄の漏水対策の観察から始まる、暮らしと探究のクロニクル。予測不能な脱線の果てに目にした景色とは――。
『『百年の孤独』を代わりに読む』著者、待望の新作!
「ユーモアも文章力も本当にすごい。でも何より、なんでもなさそうなものにまなざし、愛でる感性に胸打たれ、嫉妬しました」――星野概念さん(精神科医)も推薦!
【あらすじ】
十年近く前に「地下鉄の漏水対策」に心を奪われ、極私的なフィールドワークを続けてきた著者。その過程で気づいたのは、人が手当てをすることで維持されている「手に負えない」ものに、なぜか心惹かれてしまう自身の性質だった。
「手に負えない」ものたちとのちょうどいい向き合い方を見つけたい。だが、解決の糸口をつかむたびに新たな「手に負えない」が発生し、圧倒されてしまう。果たしてこの本を、無事に閉じることはできるのか!
予測不能な脱線の果てにある、謎の感動をあなたに。
【目次】
まえがき
第一部 地下鉄にも雨は降る
第一回 探しものはなんですか?
第二回 上を向いて歩こう
第三回 この恍惚を味わいたかったのかもしれない
第四回 管理台帳の姿を想像しながら
第五回 地方の地下鉄も見に行く
第六回 手に負えない
第二部 手に負えないものたちと暮らしてみる
第一章 さかのぼる
第二章 見る
第三章 作る
第四章 編みなおす
あとがき
表紙カバーをとりはずす。タイトルが面白い感じで印刷されている。扉ページの前には、のれんのような紙が。紙の本ならではの遊び心がある。
「まえがき」に、手当てという言葉が出てくる。最近僕がもっとも注意を向けている言葉の一つだ。ケアも大切な概念だが、手当ても同じくらい大切だと感じる。多くのライフハックも、基本的には自分の人生への手当てである、と。
第一部「地下鉄にも雨は降る」第一回「探しものはなんですか?」。
"むしろ、一つひとつの違いが見えるということが興味を持つということなのかもしれない"
日々何かしらの記録を残すこと。たとえば日記、たとえばツイート。そこにはまなざしの変容がかかわっている。
第二回「上を向いて歩こう」。名づけとフィールドワーク。探求心・好奇心を損なわないようにするためのデザイン。知ることの遅延。より長く歩くことによって、得られる何か。対象を知ろうとする自分を知る。
第三回「この恍惚を味わいたかったのかもしれない」。数学者の無数の仮説。何を正しいとするのかの弁別。スパイのように日常を眺める。そこにある奇跡。
第四回「管理台帳の姿を想像しながら」。集まるデータ。見果てぬ管理台帳とその不完全な復元への欲求。境界に向けられるまなざし。
2026/1/23 読了