習慣と思考停止
あなたは見たこともない状況に立たされたとき、自分の内なるシャーロック・ホームズの力を使って、正しいプレイにたどり着こうとするだろう。そして何度も同じ状況に立たされるうちに、よく発生する状況なのだと気づく。あなたの脳は、以前に見たことのある状況と同じだと認識し、大抵の場合、前回と同じ選択を取ってしまう。そして最初に考えた理屈が正しいのかどうかをまったく疑問に思わず、同じような状況で何度も何度もその選択肢を取ってしまうのだ。こうして"習慣"が形成される。 また、特定のマッチアップでのより有効な戦術も見つけられるようになる。たとえば、コントロールミラーでは相手が先にライブラリーアウトするようにゲームの序盤からデッキの枚数を数えたりする。時間が経つにつれて、より多くのプレイにどんどん慣れ始めて、ひらめきの瞬間は減っていきがちになる。 最初のうちは、多すぎるぐらいの選択肢を考慮に入れるはずだ。間違った選択肢だと決めつけることも少なく、既定の選択肢が即座に浮かんでくるということも少ないのだ。だからこそ、慣れ親しんだデッキを使うときよりも、新しいデッキを使うときにはプレイがはるかに遅くなってしまう。そして時が経つにつれ、逆の問題を抱えるようになる。他の選択肢を十分に検討しなくなるのだ。必要以上に多くの選択肢を間違ったものとして無視してしまう。 一般的な習慣の特徴は、簡単で頻繁にあるタスクを自動処理し、新しく困難なタスクのために脳の力を節約することにある。問題なのは、この自動処理を過度にしてしまうときだ。つまり、どんなときでも、もっとも一般的な弱点を突いてしまい、一般的ではないが特定のその状況ではより効果的な狙いどころが突けないかを確認し忘れるようになったときだ。別の言葉で言うなら、オートパイロットでプレイし始めたときだ。