断片と「自分」
KJ法は、要素をあらかた書き出した上で、それらをすでに頭の中にあるカテゴリではなく、自然に感じるつながりによって再編していくプロセスをとる。そこでは主題は徐々に明らかになっていく。 さて、「自分」というものについて考えてみよう。私たちは「自分」の定義を持たないまま生まれ、生活していく。記憶の中にあるのは、行動や感情の断片的記憶でしかない。しかしそれぞれを断片とした全体が徐々に立ち上がってくることがある。それは全体なので、個々の要素に決して還元するこはできないが、実感としてはたしかに存在するものである。それがボトムアップな「自分」というものだ。 初出:2017.Sep.06