『OPEN(オープン):「開く」ことができる人・組織・国家だけが生き残る (NewsPicksパブリッシング)』
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『進歩』
『エコノミスト』誌ブック・オブ・ザ・イヤー受賞
すべては「オープン」対「クローズド」の戦いだ――。
1万年の人類史が示す、文明・経済・ビジネスの本質と未来!
なぜ世界は「敵と味方」に分かれるのか?
なぜ人類はここまで繁栄したのか?
現代を覆う「未曾有の危機」を突破する方法とは?
私たち人類には、「オープン」と「クローズド」という、進化の過程で生まれた「2つの矛盾する本能」が備わっている。前者は見知らぬ他人やアイデアに積極的に心を開く本能であり、これが交易と文明を駆動してきた。そして後者は、家族や身内を守るために、世界を「敵と味方」に分け、「敵」を徹底的に攻撃する本能である。
そして――いま世界各国で起きている悲劇は、人間の「クローズド」な本能に拍車がかかる条件がそろってしまっていることによるのだ。
では、どうすればこの窮地を乗り越えられるのか?
ローマ帝国の興亡からトランプ以降の各国情勢にいたるまでの世界史を軸に、経済、ビジネス、テクノロジーの豊富なエビデンスを揃え、未来への確かな道筋を示す。全世界ベストセラーの希望の書。
「どんな人間も、どんな社会も、みずからが抱える問題を『独力』で解決できるほど賢くもなければ立派でもない。物事や他人のアイデアに対して徹底的に『オープン』であること――これがウェルビーイング実現のたった一つの道だと、ヨハン・ノルベリは明快に教えてくれる」
――スティーブン・ピンカー(ハーバード大学教授、『暴力の人類史』『21世紀の啓蒙』)
「コロナ後の世界では、『オープンであること』がかつてないほど重要になる。開かれたマインドセット、開かれた精神、開かれたコミュニケーション、開かれた市場。『開かれていること』こそが、1万年にわたる人類の成功のカギであり、今日の繁栄と平和の秘訣である。ヨハン・ノルベリは本書で、圧倒的な実例をもとにこのことを証明してみせた」
――マット・リドレー(『繁栄』『人類とイノベーション』)
原題:『OPEN The Story of Human Progress』
目次
第一部オープン
オープンな交流
オープンな門戸
オープンな精神
オープンな社会
第二部クローズド
「ヤツら」と「オレたち」
ゼロサム
将来への不安
戦うか、逃げるか
オープンかクローズドか?
「はじめに」。人類は、オープンさを持つ交易者としての側面と、クローズに閉じこもる部族人としての両方の側面を持つ。数々のイノベーションはオープンな体制のもとで生まれてきたが、現在はクローバリズムの反動としてクローズドな側面が強く出つつある、といった状況確認から。
第一章「オープンな交流」。貿易が盛んな場所でこそその地域を発展する。保護主義政策は限定的にその産業を保持するが全体として経済は弱体化してしまう。必要なのは、貿易をより活性化させること。
第二章「オープンな門戸」。異質な人を取り込んだ集団がいかに強力なのか、逆に異質な人たちを排斥した集団がいかに脆いのか。一般的に理解される移民問題についての実態をデータを見ながら再確認していく。
第三章「オープンな精神」。複数主義、交易、寛容性がある文化のもとでイノベーションは活発化する。逆に正統主義が蔓延り、ドグマが幅を利かせるようになると停滞してしまう。いかに「異なる」意見や考え方を受け入れるか。直感に反するそのような態度の醸成が必要。
第四章「オープンな社会」。産業革命を成せる可能性があった中国と実際にそれを成したイギリスが対比的に語られる。ポイントは、イギリスが統治(統一)に失敗した結果、イノベーションを引き寄せたという点。トップダウンからの逸脱こそが、新たな可能性を開く。
第五章「「ヤツら」と「オレたち」」。私たちは、本能的に部族意識を持ち、内と外を分ける。しかし、その線引きは絶対的なものではなく、弾力的である。そこに希望もあるが、メディアがやたらと断絶を主張すれば私たちはそれに引きずられてしまう問題も引き起こす。
第六章「ゼロサム」。経済はゼロサムではないが、私たちの直感はそれをゼロサムと捉えてしまう。そして、分断を煽る声はその直感にうまく乗っかる。面白い指摘は、GDPはタダかほとんどタダに近いものの価値をうまく測れないという点。イノベーションの効果が見えてこない。
“だがそんな委員会はなかった。計画もヒエラルキーも構造も協調もなかった(中略)。だれもが自身の知識と興味に基づいて、他人がそれをおもしろくないとかどうでもいいとか、あるいは不快とさえ思おうが、それに関係なく自由に書いて創造する自由を持っていた”
第七章「将来への不安」。私たちは、過ぎ去った過去を懐かしがり、まだ見ぬ未来を恐れる。それが計画や掌握など静的なアプローチを引きつける。もちろん、そこからイノベーションが生まれることはない。動的な、つまりいつまでも安定がない中でこそ予想外の収穫が得られる。
第八章「戦うか、逃げるか」。私たちは危機的に陥ると、自由を簡単に手放そうとし、集団で固まろうとする。危機的であると考えるだけでも同様。ニュースメディアがこぞって危機感を煽ってくる昨今では、私たちは強権とトップダウンによる解決を容易に容認してしまう。
第九章「オープンかクローズドか?」。現代では部族主義が強く現れている。ポピュリストはそこにつけ込み、政治や文化をますますクローズドに持って行くだろう。そうした風潮の中で、異論を口にすることは難しいかもしれないが、だからこそ価値がある。