『もっと! : 愛と創造、支配と進歩をもたらすドーパミンの最新脳科学』
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■私たちを熱愛・冒険・創造・成功に駆り立て、
人類の運命をも握るドーパミンとは? ■
ドーパミンは、よく言われる「快楽物質」ではない。
脳の2つの回路 ーー「欲求ドーパミン」によって〈期待〉を駆り立て、
「制御ドーパミン」によって〈達成への力〉をもたらすのだ。
・創造力の源
・先を見越した戦略
・恋愛が長続きしないわけ
・充足感の欠乏
・変化に適応できる柔軟さ
・支配と服従
・依存症・精神病のリスク
・保守・リベラルの気質
・人類の大いなる進歩と破滅
・・・
すべて「もっと!」を求めてやまないドーパミンが鍵を握る。
そして、未来志向のドーパミンと「いまここ」志向のH&Nとの
バランスこそ、脳の潜在能力をもっとも解き放つ。
★Forbes誌「年間ベストブック」受賞!
★激賞!
V.S.ラマチャンドラン + ダニエル・ピンク + デイヴィッド・イーグルマン
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::著者::
ダニエル・Z・リーバーマン
ジョージワシントン大学の精神医学・行動科学部教授。
アメリカ精神医学会の特別研究員。
マイケル・E・ロング
ライター、スピーチライター、脚本家。ジョージタウン大学でライティングを教える。
プロフェッショナル・スピーチライターズ協会の常任コーチ。
::訳者:: 梅田智世
翻訳家。訳書は、リアム・ドリュー『わたしは哺乳類です』、
ダレン・ナッシュ『ビジュアル 恐竜大図鑑』など。
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::目次::
はじめに: 上と下
第1章: 愛 ーー 恋愛から友愛へ
第2章: 依存症 ーー「欲求ドーパミン」の駆動力
第3章: 支配 ーー「制御ドーパミン」の達成力
第4章: 創造と狂気 ーー すごい発想が生まれる源
第5章: 政治 ーー 保守とリベラルの脳の違い
第6章: 進歩 ーー 新しさを求め冒険する気質
第7章: 調和 ーー ドーパミンとH&Nのバランスをとる
第一章から抜群に面白いです。私たちの期待とドーパミンの関係について。身体近傍空間と身体外空間の違いについて
ドーパミンは、恋愛の最初を駆動させるが、しかしそれは長続きしない。期待は消えて、いずれ日常という名の現実がやってくる。そのときには、シフトが必要だ、という話は、『Re:vision』に通じるものがあるのではないかと感じます。
第三章支配
ドーパミンが努力を促す
自己効力感→自分にはそれができる、という感覚
第三章「支配」の前半部分。ドーパミンの二つの働きについて。未来を描き、それが手にできると思えること(ドーパミンの作用)によって、ラットは「努力」できた、という話は示唆的。良き未来を願わないと、どんどん努力できなくなり、「今の自分」にできることに閉じこめられる。
時間が経てば環境は変わり、競争相手は進歩し、自身の能力は経年で衰える。何かを得るための努力ができないなら、欺瞞的な何かに手を出さざるを得ない。
2020/11/12 読書メモ
上と下、近くと遠く、身体近傍空間と身体外空間、ドーパミンとH&N(いまここ)の化学物質(セロトニン、オキシトシン、エンドルフィン、バソプレシン、エンドカンナビノイド) 二つの回路は協調することもあるが、たいていは打ち消し合う。
私たちを駆り立てるもの、汝の名はドーパミン
ドーパミンは、生存に有利だったから機能として残っている
ドーパミンは快楽物質ではない
ドーパミン報酬系の活性が大きくなるほど高揚感が大きくなる
報酬予測誤差
餌が落ちてくる環境にいるラットのドーパミン状況
→予想外のこと(可能性と期待に対する反応)
愛はなぜ色あせるのか(なぜ恋愛でジラすのが効果的なのか)
→身体外空間から身体近傍空間へ
進化という観点から見ると、自分が手にしていない食糧は、実際に手にしている食糧とは決定的に違う。それは見ずにも、身を守る場所にも、道具にも言える。
長続きする愛では、重点が期待から体験へと移る。なんでも起こりうるという幻想から、現実とそれに伴うあらゆる不完全さとの関わりへの移行。その移行は難しいし、困難なタスクを簡単に逃れる方法が世界にあるときには、私たちはそちらを選びがちになる。だからこそ、恋愛初期のドーパミンの急襲が終わると、多くの恋愛も終わってしまうのだ。
ドーパミンの治療薬(パーキンソン病の治療薬)とギャンブル行為
二つのドーパミン回路
ドーパミン欲求回路(衝動)
ドーパミン制御回路(計算と計画、想像力)
ドーパミン制御回路は、欲求回路が導く未来よりもさらに遠い未来に自身を投影する想像力を私たちに与え、長期的な計画を立てさせている。
このように、どちらの回路も「幻影」──実体としては存在しないものについて考える能力を私たちに与えている。欲求ドーパミンにとって、その幻影とは、手に入れたいと願っているがいま現在は持っていないもの──未来に必要となるものだ。制御ドーパミンの幻影は、想像力と創造的思考を構成する要素──アイデア、計画、理論、数学や美といった抽象的概念、そしてまだ存在していない世界からなる。
制御回路ドーパミンが多すぎてもつらい。
ドーパミンと倫理(トロッコ問題)
サリエンシーとドーパミン
ドーパミンと創造(脱語感的な想像力・抽象化)
アインシュタインの善意と冷たさ
「私は人類を愛しているが、人間を憎んでいる」
政治とドーパミン(施策や寄付について)
移民とドーパミン
二つの調和としての「手仕事」