善光寺の屋根と願うこと
間口24m、高さ29m、2階建てのように見える入母屋屋根。その本堂の前に立つと、「屋根」の役割を思いました。それは雨をしのぐことだけでなく、もう一つ「共同体のシンボル」としての、大切な役割についてでした。大きな屋根の下には、たくさんの人たちが集まってきます。そこには、大勢の人たちを包み込む空間があり、それは私に、「人と人との繋がり」を連想させるのです。
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松本城から始まった、2018年夏の家族旅行。最後に訪れたのが善光寺(長野県長野市)でした。300年以上も前に建てられた善光寺の本堂に、たくさんの人たちがお参りしていました( 2018.09.09)
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思い出なのか、自分で思い出だと思い込んでいるだけなのか、ある風景があります。それは、「日本瓦の美しい、住宅ではない大きな建物に、たくさんの人が集まっていく」風景です。
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私もたくさんの人と一緒に、その大きな屋根の下に入っていくと、それは建物というよりは、屋根と柱だけのガランドウの空間なのですが、心地よい優しさを感じるのと同時に、屋根を見上げ、屋根の大切さを思う、そんな風景です。
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50代となり、色々と変化を感じていますが、最近特に実感するのが「欲しいものが少なくなった」ことです。なので、神社をお参りしても、お願いごとはいくつもありません。
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私のお願いごとは、まずは自分が健康で前向きでいられること。健康で前向きがあってこそ誰かと繋がり、何かを創り出せるからです。そして家族を始め、ご縁がありお会いした人が幸せであること。
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40代の頃は、「トラブルや苦難がなく、何事もうまくいくこと」とも願いましたが、最近はそうではなくなってきました。「適当にうまくいかないことも混ぜて欲しい」と願うのです。
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何事も順調にいきトラブルや苦難なく生きていけるのなら、私は生きていく中でおそらく何も学ばないと思うのです。私のささやかなの挑戦は、私にきっと何かを教えてくれるはずですから。
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『船は港にいる時が、一番安全であるが、それが船の目的でない』は、ずいぶんと前に読んだ、パウロ・コエーリョの一文です。
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「屋根」のことを書こうとしているのに話は逸れ、何で私は「船」のことを書いているのでしょうか。それは船が港を離れ、 目的地に向けて海を進むだけではなく、時には私を護ってくれる屋根にもなってくれるからだと思うのです。
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私のささやかなの挑戦は、誰かの屋根を造る仕事です。
私も屋根に護られながら、誰かの屋根を造る仕事です。
誰かの「やりたい」ことを応援できる、屋根を造る仕事です。
屋根を造る仕事により、私は、誰かと繋がることができるのです。