bFaaaPの特許
bFaaaPの「デバイスコントローラー」としての基本特許です。頭の動きでデバイスをコントロールする「デバイスコントローラー」としての基本特許です。デバイスを限定しない権利範囲の広い特許なので、2018年11月の出願から本査定までに 3年かかりました。 bFaaaPとは、足に障害を持つチャレンジドや、小さな子どもたちが、ピアノなどのペダル操作をできる様にする、補助ペダルシステムです。「barrier-Free assist as a Pedal」から名付けました。 https://gyazo.com/b0f69d1e3b2c293e606d1be80394af79
特許情報プラットフォームで、
特許第 7004771 号で検索してください。
当初「ピアノペダルとしてのみの発明」としての査定をいただきましたが、その後の特許庁(権利範囲が広いので審判官は3人に増えた)とのやりとりにより一転、令和3年12月14日付けの審決で「本願の発明は、特許すべきものとする。」となりました。
一連の本特許は、日本国特許庁を調査機関とした、PCT国際特許出願(2018年11月)から始まりました。
思い起こすと5年前の2018年1月、「車いすユーザーでも楽しくピアノを弾きたい」を叶えるために、宍戸(車いすユーザーの弁理士)、成澤(電子機器開発製造の技術者 / JE1DLC)、大瀧(1級建築士 / JN1GGZ)で開発を始めました。 hr.icon
ペダル制御システム構成
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ペダル制御システム構成
角度センサ部
データ処理部
通信部・送信
通信部・受信
駆動処理部
駆動部
電源
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https://gyazo.com/27723c5ca44be7251ce87c83d5221ec7
モーションセンサの説明
「角度センサ部」
物理的傾斜変化を検出し、アナログ電圧もしくはデジタル値として、データ処理部に送る。
「データ処理部」
角度センサ部より得られたデータに、フィルター処理を行い、ノイズ・ドリフトの軽減する。
その後、アクチエータの駆動部制御に適した処理を行った後、通信部に送る。
「オフセット値」を加算し、得られた値の正の値に、「倍率」を掛け、上限値設けて次の処理に渡す。
「通信部・送信」
アクチエータの駆動部に制御データを送るため、有線、無線等を使って送信する(各送信方式に合った規格、プロトコル(手順)処理を行う)
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https://gyazo.com/95535621e26c6c4eed2a64ccf7f4a73e
アクチエータの説明
「通信部・受信」
有線、無線等を使って受信する部分で、各方式に合った規格、プロトコル(手順)処理を行う。
「駆動処理部」
「オフセット値(駆動部の動作開始点)」と、「動作幅」を設定する。
受信部より得られた、データの0から上限値を動作幅に写像する処理を行い、駆動部に制御値データを渡す。
「駆動部」
モーションセンサの駆動処理部から与えられた、データ値に従って、駆動する。
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ピアノペダル制御システムの全体の必要要件
上肢の身体的動作を検出し、ピアノのペダルを操作する
演奏、歌唱に支障を与えないこと
容易に製作出来ること
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https://gyazo.com/8a519cfe443b460cc39ccecae57a4340
「角度センサー部」
角度センサー部の必要要件
必要精度を持つこと
身体の動作に負担を掛けないこと
耐久性が有る事
歌えること
小型であること
入手が容易であること
安価であること
上記必要要件より、ボリュームにより身体の変位を検出する方法が考えられるが、身体への接触が避けられず、違和感を感じてしまい、耐久性も劣る。
そこで、非接触で角度検出を行うセンサとして、6軸センサ(加速度、角速度)及び、9軸センサ(加速度、角速度、地磁気)を用いて、角度検出を行った。
その結果、9軸センサがノイズ・ドリフトが少なく、比較的安価に入手可能な角度センサーとして、MPU9250(TDK)を採用することにした。
MPU9250(TDK)をモジュール化したボードを、筐体に納めることにした。
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角度センサーの装着方法
演奏中に上肢において、角度を容易に検出できる部位は、頭部に限られる。
センサーを確実にブレの無いように固定する方法として、メガネのツル部分に装着した。
その際、ツルと平行になる様に角度センサーを収めた筐体に溝を設け沿わせ固定する。
その他、ブレの無い髪に着けるアクセサリーに納めることも可能
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https://gyazo.com/6793ef549d003be7ab8d6836568bee44
「データ処理部」「通信部・送信」
データ処理部、通信部・送信の必要要件
角度センサーからのデータを、遅滞なく処理出来ること
小型であること
消費電力が少ないこと
通信部を包含していること
2つ以上のアナログデジタルコンバーターを有すること
汎用デジタルポートを必要数有すること
I2C(Inter-Integrated Circuit)通信ポートを有すること(角度センサ部との通信)
ディバッグが容易に出来ること
電池駆動が出来ること
上記必要要件より、比較的プログラム開発が容易なマイクロコントローラ、ESP32(Espressif Systems)を採用した。
ESP32(Espressif Systems)をモジュール化したESP32-DevKitCボードを、筐体に納めることにした。
通信は、有線(シリアル通信)、無線(Bluetooth BLE)などを使用する。
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https://gyazo.com/6793ef549d003be7ab8d6836568bee44
「通信部・受信」「駆動処理部」
通信部・受信、駆動処理部の必要要件
消費電力が少ないこと
通信部を包含していること
「アナログ - デジタル変換回路」を、2つ以上有すること
汎用デジタルポートを必要数有すること
ディバッグが容易に出来ること
電池駆動が出来ること
上記必要要件より、開発環境を揃えるため、角度処理部と同じ、ESP32(Espressif Systems)を採用した。
通信は、有線(シリアル通信)、無線(Bluetooth BLE)などを使用する。
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駆動部
要件
ペダルを駆動出来るだけの力を有すること
演奏に支障のない程度の、応答速度を有すること
演奏に支障のない程度の、静粛性を有すること
バッテリー駆動が出来ること
上記要件より、オリエンタルモーター社の電動シリンダーを使用。
ドライバーとして、同社、DC24V仕様AZシリーズ αステップを使用 (EAC4-D05-AZAAD-1)
また、セットアップソフトとして同社提供のMEXE02を使用
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ソフトの考慮点と対処
実施例は、頭の傾斜角を検出して、その量に応じて、ピアノのペダルを圧下するものである
以下のことを考慮している
1)演奏姿勢の状態は演奏者によって初期傾斜角が各自異なる
2)最適な首の振る角度が演奏者によって各自異なる
3)ピアノペダル効果の開始点がピアノによって異なる
4)ピアノペダル効果の幅がピアノによって異なる
5)傾斜角が安定して得られること
以上を踏まえて
1)に対しては、オフセット値を導入して、動作開始点を演奏者が自由に設定出来る様にした
2)に対しては、倍率値(感度)をど導入 演奏者が自由に設定出来る様にした
3)に対しては、オフセット値を導入して、動作開始点をピアノに合わせて設定出来る様にした
4)に対しては、動作幅を導入して、ピアノに合わせて設定出来る様にした
5)に対しては、Madgwickフィルター処理を行ってドリフト・ノイズ等の軽減をした
ソフト概要
9軸センサより得たデータをMadgwickフィルターを通し、ノイズ、ドリフト等を軽減する。
その後、ピッチ角に対し、
「アナログ - デジタル変換回路」から得られたオフセット処理、倍率処理を行い、0から99までの制御量に変換、BLEを通して制御部に伝える
制御部BLEで受けた制御量に、ADで得られたオフセット、動作幅から、実際のペダル操作位置及び動作量を駆動部に伝えて制御する
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bFaaaP Ham Club(ビーファープ ハムクラブ)