本を読む速度は、思っていたより遅くないようだ。
本を読む速度が遅い。その事は長い間私のコンプレックスだった。
読書家と呼ばれる方々は、皆本を読むのが速い。スティーヴン・ジェイ・グールドの『進化理論の構造』などの浩瀚な本を読む時など、私の方が遥かに早く読み始めても、あっと言う間に追い越され、他の方々より2週間も遅く読み終える。そんな体験ばかりして来た。
今日、Discordのボイスチャンネルで、1ポモドーロ(25分)で何ページ読めるかを比べる試みに参加した。
私が選んだ本は、ニコラウス・アーノンクール『古楽とは何か─言語としての音楽』。
この本は予想していたより遥かに難解で、読み進めるのに難渋して来た。
結果は25分で、48ページ。
参加者のひとりKさんは、とんでもない量を読破していたが、それと比較しなければ、私は早い方だと言われた。アベレージは1分1ページくらいだとの事だった。
長年縛り付けられて来たコンプレックスから解放される思いだった。
私の本を読む速度は、思っていたより遅くはないようだ。
私は私をもっと信じても良い。