色彩と陰影法
陰影法(スキアグラフィーア)
明暗と色彩の関連性
物体の陰影を表現するために、複数の色彩を組み合わせる
印象派の点描に通じる(※同一視ではない)
黒一色の牛を描いた例
通常画家は目立たせようと思う部分に明色を使い、あまり目立たせたくないところに暗色を使うものだが、この画家は黒一色の牛を描き、影そのもので影を描き出し、平らな表面からその形が浮かび上がるようにした。そして地の黒色には濃淡があったにもかかわらず、かたち全体に堅牢さを与えるという技術を示した
紀元前4世紀の時点で、陰影をつける方法が少なくとも二種類あった
複数の色を使う
単色のみ使う
ハイライトの使用
……そして光と影(lumen et umbra)、相互に効果を高め合う色彩の対象を発見した。それから最後に加わったのが輝きsplendorで、これは光とは異なるものである。一方では輝きと光、他方では陰との対立が対照(tonos)と呼ばれた。ところでいろいろな色の併置と、その一つの他への移行は調和(harmoge)と称せられた。
このくだりの補足
技法用語は、その形成の時期に音楽用語や文芸批評の語から借用したり、関連して生み出された可能性
光、影
色彩に混ぜられた白と黒の顔料の分量が影響する
光と陰の対照を示すtonosの語は、動詞「伸ばす」
当時の音楽用語では、あるスケール(階調)におけるピッチ(音の高低の度合い)や「緊張」の意味
光、輝き、影の間に見られる光の量の比率を模索し、その比率を案出したとき、絵画のなかの様々な光と陰を、音楽におけるtonosと近いものと考えた可能性がある
輝き
現代で言う「ハイライト」
splendorの語はギリシア語からの翻訳とみなされているが、該当のギリシア語は不明である
移行、調和
色彩の調和を示すharmogeの語は、ラテン語で「合わせる」
元来は文芸批評で「構成」について語る用語であったものが、美術を語る場合には、色彩の併置やある色から他の色への移り変わりを意味するものとなった