国内・海外への同人CD配送の手順とtips
本ページの目的
可能な限り同人CD(やその類)を 楽に(not 安く)配送できるようにする方法のメモと共有。
前提
著者は趣味で同人CDを作成し、M3において頒布している。
稀にBandcampのMerchとしてCDを頒布している。
1つのプロダクトあたり、概ね国内に100件、海外に50件程度配送している。
以前はすべてのプロダクトをBandcampにて通販していたが、配送作業の手間・コミュニケーション・責任・返送等が苦しすぎため、一部プロダクトのみを期間限定で通販するようにしている。
CDの制作自体は好きだが、配送という行為は好んでいないので、可能な限り配送の心理的ハードルを下げたいと考えている。
苦しいこと
以下は通販開始前はそんな大変じゃないっしょって気持ちだったが、やってみると苦しかったこと一覧。同様の心構えの人にも実態を知っていただきたい。
注文データの整形
Bandcampは海外サービスゆえ、海外向けの住所の書き方を把握していない人が多くいる。そのためBandcampから取得できる注文一覧csvをクリックポスト・国際郵便マイページに直接インポートできず、データを整形することが必要となる
数が多くなればなるほど苦しい
日本郵政のウェブサイトが絶妙にUXが悪い(後述)ことが苦しみを増大させる
梱包
外箱にクッション詰めて、CD入れて、伝票印刷して、伝票切って、伝票と内容物が一致しているか確認して、ガムテープで止めて、ノリで伝票貼って……
最初は少し楽しかったが、大量の数を数年間続けると結構メンタルにダメージが蓄積(自分はね)
配送
国内はポストにブチ込むだけだから楽だが、海外は一つ一つ署名が必要だったりととにかく苦行。
返送・ロスト
ふざけんな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
住所ちゃんと書いてくれ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
偽名書いたせいでお父さんが受取拒否すんな!!!!!!!!!!!
(海外のみ)ロストすんな!!!!!!!!!!!!!!
これらは最安の小型包装物(Small Packet)だと発生する
あまりにEMS等がバカバカしい値段だったのでずっと小型包装物(Small Packet)を使っていたが、耐えられないので今後はEMSを使います
利用サービス
Bandcamp
CDを買ってもデジタルが即座に聞けるようになる仕組みが好きで利用。
クリックポスト (国内)
明瞭かつ低価格な価格設定、印字結果を貼り付けてポストに投函で済むのがよい。
国際郵便マイページ (海外)
2024/11/28現在、海外配送をする場合、郵便局窓口に行って手続きだけでは配送が出来ない。国際郵便マイページから配送情報の登録が必要。 Small Packetを使っていたが、今後はEMSを使って配送することにした。
船便は時間かかりすぎるからやめたほうがいいと思う
使用資材
1. クッション封筒(国内)
https://m.media-amazon.com/images/I/71m8XFjjFiL._AC_SL1500_.jpg
CD入れて封をするだけ!楽
これで海外に送ったら一部破損した注文があった…(当たり前か…)
2. 段ボール箱(海外)
https://www.notosiki.co.jp/parts/data/item/149/149_1.jpg?005
僕は百均で買いました。最適解ある気がするがまだ分からない…。
↓みたいのでもプチプチちゃんと入れれば壊れないだろうか
https://m.media-amazon.com/images/I/51M8UcUs5oL._AC_SL1000_.jpg
3. プチプチ(海外)
画像省略
百均で売ってます
国内はクッション封筒内にプチプチあるので不要です。
4. (あると嬉しい)サーマルプリンター
https://m.media-amazon.com/images/I/71WRxVHkYBL._AC_SL1500_.jpg
クリックポストの「紙への印刷→切断→糊付け」の工程を、「印刷→シール貼付」に省略できる。
個人的にはかなり救われた
この手のプロダクトは「スマホアプリで簡単操作✨️」「専用PCソフトでらくらくラベル作成✨️」みたいなものが売り文句となっていることが多いが、アプリが劣悪なことも多いので自分は「PCからプリンターとして認識される」「PDF/画像が印刷できる」「消耗品が汎用的(製造中止になっても使える)」ことを最低条件に探した。本製品はそれに該当する。
PC用ラベル作成アプリの出来はよく、特定デザイン内の一部文字列等をCSVから流し込んだ特定のデータにするなどのことが可能でかなり良い具合だった。Bandcampで発行したDLコードをラベルとして出力できるので今後はそのようにする予定。
作業工程
1. 通販ページの用意
2. 配送先データの整形~ラベル情報登録
3. 印字
4. 梱包
5. 発送
以下国内向けと海外向けで手順が違うので、それぞれ記載
国内向けの場合
1. 通販ページの用意(共通)
説明省略。
送料は国内と国外の2つしか設定できないので注意。
海外送料は中国あたりで1500円、最も遠いアメリカで3500円ぐらいなので、どこの国に人気かによるが最低でも2500円程度にしたほうが良い認識。(2024/11/29現在)
2. 配送先データの整形~ラベル情報登録(国内)
https:// {あなたのbandcampページ} .bandcamp.com/merch_ordersの「export these orders as .CSV」からCSVを出力。
クリックポストにログインし、「まとめて申込」からCSVテンプレートをダウンロード。
CSVエディタでBandcampから取得したファイルのカラムをテンプレート順に並び替えて、テンプレートに貼り付け。
自分はVSCode + Edit CSV(Extension)使っている。もっとよいエディタあるかもしれない
以下頻出エラーなので注意
保存時の文字コードが違う
40行以上ある(41件以上登録する場合、分割して登録する必要あり)
各カラムの上限文字数を超えている
購入者の記入方法によっては適切に住所を記載しておらずこのようなことが起こる。D~G列の住所1~4に文字数に引っかからないように整形してあげる必要あり
これが超めんどくさい。
情報登録完了後、マイページのトップ画面から1件1件クリックして決済。
まとめて登録することは出来るが、決済は1件1件対応するしかない。
3. 印字(国内)
紙で印刷した場合、1/4に切断→荷物に糊付け。
サーマルプリンターの場合はPDFの時点でうまいこと調整してあげて、あとはぺたぺた
個人的にはこれでかなり楽になったので超おすすめです
4. 梱包(国内)
クッション封筒に入れて封すればOK。これが一番楽だと思う。
5. 発送(国内)
ポストに投函
海外向けの場合
1. 通販ページの用意(共通)
説明省略。
送料は国内と国外の2つしか設定できないので注意。
海外送料は中国あたりで1500円、最も遠いアメリカで3500円ぐらいなので、どこの国に人気かによるが最低でも2500円程度にしたほうが良い認識。(2024/11/29現在)
2. 配送先データの整形~ラベル情報登録(海外)
https:// {あなたのbandcampページ} .bandcamp.com/merch_ordersの「export these orders as .CSV」からCSVを出力。
なんと国際郵便マイページでは、注文をまとめてCSVからインポートは出来ない。まとめてインポートできるのはアドレス一覧だけ。またテンプレートも用意されていない。
国際郵便マイページのアドレス帳のインポート・エクスポートのページでは、空の状態でもアドレス帳のエクスポートができる。これが実質的なテンプレートとなる。
登録後、1件1件手動で注文を作成
2024/11/29現在、EU圏への配送をする場合はHSコードが必須なので注意
CDの場合は8523299000
この際、(大量注文の場合)以下の理由からPC版からの登録を推奨
3. 印字(海外)
発送予定一覧から印刷対象のPDFを取得して印刷。
署名が必要なので全ページに署名。これがめんどくさい…
大体署名必要箇所は右下にあります。
郵便局でパウチをもらってきて、そこに詰めてあげた後荷物に貼り付けます。
4. 梱包(海外)
ダンボールとクッション使わないと完膚なきまでに破壊されるということしかわからないので、他のサイト参考にしてください…
5. 発送(海外)
危険物入ってないことに同意するような書類にサインして、あとは荷物を渡してお金を払うだけ。
Tips
以下適当にtips
国際郵便マイページの罠
国際郵便マイページはPC版とスマートフォン版がある。
PC版では配送情報を入力しラベルはプリンタで印刷(1つあたり2~8ページ程度)、署名後、郵便局でもらったパウチにラベルを封入し貼り付けする。対して、スマートフォン版では配送情報を入力しQRコードがメールで到着、QRを郵便局にある端末にかざすとラベルが印刷されるのでそれを貼り付ける。
スマートフォン版のほうが優れているように見えるが、欠陥とも言える仕様がある。
1. スマートフォン版で印字したラベルはHSコードが表示されない
HSコードはEU圏への配送時はほぼ必須である(ない場合は受取拒否される)
そのHSコードがラベルには印字されない(データ上は持っている)うえ、そのデータを後から確認する術はない(国際郵便マイページから配送履歴ページから確認が不可能、各国に到着後に各国の郵便局が受け取るか判断するタイミングでようやくHSコードが正しく設定されていたかが明らかになる)なため、最終確認が出来ない。
PC版の方で印刷するラベルにはHSコードが記載されている
2. スマートフォン版は作成したラベルの履歴の閲覧が不可能
大量データの入力→大量印字をしようとした場合、どこまでデータを入力したかがわからなくなる。
3. スマートフォン版で作成したQRコードへのリンクが添付されたメールアドレスには、ラベル作成日時と送信先国名のみ記載がされている
印字には メールを開く→QRコードを開く→QRコードをかざす というフローが必要であり、大量に作ったデータをまとめて印字しようとする際、どこまで印字できたかを確認しようとしても国名からしか推察できないのが非常に不便
上記の理由で個人的には(大量注文の場合)PC版を強く推奨!!
そもそもスマートフォン版はPC版の簡易バージョンと郵便局員の方がお話していた
デメリットは大量に署名が必要なこと…
本当に文字を書くのが苦手なので普段なら避けたいが、データ入力でも印字でもどこまで作業したか確認するのが不可能なのがあまりにサービスとして厳しい
おそらくスマートフォン版は大量発送を想定していない
また「データ入力×n→印字×n」というフローではなく「(データ入力→印字)×n」というフローを想定して設計されていると思われる。
Small Packet or EMS or 国際小包
結論:トラッキングなしならSmall Packet、トラッキングありならEMS
この3種ならSmall Packetが最安だが、トラッキングなし
トラッキングありの場合、EMSか国際小包が選択肢に入る
軽量の場合、EMSのほうが安いが、重くなるにつれ国際小包のほうが安くなる。
感想
国際郵便マイページ正気かよ