『論理的思考とは何か?』の要約(tks)
本書はタイトルの通り、「論理的に考える」とは何かを検討する本である。その際、論理的思考には文化的側面があるという視点から検討しているのが大きな特徴である。
本書は5章構成である。序章では「論理的思考」として世界共通で共有されている論理学、レトリック、科学、哲学の西洋由来の4つの思考法を比較し、「論理的」にも種類があることを確認する。
第1章では、論理展開のパターンをどの国にも共通して存在する4つの領域から整理し、領域ごとの目的と手段を確認した上で、「合理性」と「判断基準」の両基準から分類する。
第2章では、その分類を経済(アメリカ)、政治(フランス)、法技術(イラン)、社会(日本)と4つの国と対応させた上で、学校教育における作文の型から、各文化での論理の目的と手段、および価値観が異なることを確認する。
第3章では、各文化での論理的が、他の文化の論理的とは相容れないために、他文化の論理を非論理的と感じることを比較によって説明している。
終章では、目的や状況ごとに論理的思考を選ぶ多元的思考によって論理的思考を使いこなすことを提案している。
#『論理的思考とは何か_(岩波新書)』