『ザ・プレイリスト』
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年末に放送されていたあたらしいテレビ - NHKでチェンソーマンやダンダダンの編集者である林士平さんが紹介していたので興味を持ったので視聴した。 全6話なので割と気軽に見ることができる。
最初はSpotify誕生の経緯が語られるのだけど、レコード会社から全く相手にされなくて、その後Spofityが音楽ストリーミングサービスとして成長していくという事実を知っていても、ちゃんと軌道に乗るのかしらとドキドキした。
テック企業のスタートアップを扱った映画やドラマとしてはFacebookを扱った『ソーシャル・ネットワーク』やGoogle earthのもととなった技術を扱った『ビリオンダラー・コード』を思い出した。
そうした映画やドラマに対するこのドラマの特徴的を挙げるとすると、各話で語られる立場が入れ替わっていくいわゆる小説『藪の中』、映画『羅生門』スタイルになっている点だ。
創業者、音楽産業、法律家、プログラマー、パートナー、アーティストの順で話が進んでいくのだけど、立場が違えば見え方が変わってくるというのがとてもわかりやすく、かつドラマとしての面白さにもプラスになっていた。
プラットフォームビジネスはアーティスト、レコード会社、プラットフォーマーの少なくとも3者のそれぞれの思惑があるから、このスタイルはよく合っているのだろう。
革新的な取り組みを行おうとする創業者、それに反対する既得権益としてのレコード会社というのはよくある構図だけど、それ以外の視点が入ってくるのは新鮮だった。
特に3話の法律家のあたりから面白くなってきた。法律家がプレイリストのアイデアを出したことがSpotifyが軌道に乗るきっかけになるのだけど、そこまで見てやっとタイトルがプレイリストであることの意味に気づいた。
もう一つ特徴的だったのは、6話で未来の話を扱っているところだと思う。
未来と言っても2024、2025年なので大して遠い未来ではないのだけど、インフラとなったプラットフォーマーはどうするべきかという問題提起がされているパートになっている。
自分も消費者としてプラットフォームビジネスのサービスは便利で利用しているものの、これが本当にアーティストに還元されるのだろうかという気持ちはある。
大物アーティストでなくても、固定ファンがつけば意外と生活できる的な話も聞いたことがあるけど実際のところどうなんだろう。
参考