『行動経済学の真実 (集英社新書)』
https://m.media-amazon.com/images/I/71KwVYEuBqL._SY522_.jpg https://www.amazon.co.jp/%E8%A1%8C%E5%8B%95%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6%E3%81%AE%E7%9C%9F%E5%AE%9F-%E9%9B%86%E8%8B%B1%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%B7%9D%E8%B6%8A%E6%95%8F%E5%8F%B8-ebook/dp/B0DF64CSJ4/ref=sr_1_1?crid=3THX8U1BVX5T7&dib=eyJ2IjoiMSJ9.tjFYTtAe8oYdwefV10kXemFOsKK9kWE11QVh2S5kpUWI0vS9d-nXaQf9A8OwNa20SAKku0GBbIA5T7amJ-grVXkyI51DApV4dYoqIaS0HyWI0OfjJjWWkhmd4LgdLg7fXWwVd7nAxO2PeO3-AT_v8QI4w65Fnw91Ow2Ik8JVK6nFYoWgLOV72QIliC8foT5Z81z7NAu6QnN1FuIdSgyz12yoQ2HDpAPonmyO9UG9-57jbIvWVQm5R7J2q9yAcMZNqfbDPurUUgUBf5vl_to3t6y_nmWBRrH_WP1u3j_gMg6pVooNF9LopruhbGoNpUVqx-08FAAQ-b69TsZVglSOgrSZEZTFO0trosEyZIaxvRqVS9ATvFTmIzPBlxpYwaYhAT3OIlYvJq7xgZwWYWWGoxMKdsm9oLf6FEYnQj--gqHuwf0Zay2VhGTBeO1v1Q0j.xy2m4pGIp2vuxbfAwVVjSUaU6dHaK9Aem83Ws3MFNnA&dib_tag=se&keywords=%E8%A1%8C%E5%8B%95%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6%E3%81%AE%E7%9C%9F%E5%AE%9F&qid=1739928895&sprefix=%E8%A1%8C%E5%8B%95%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6%E3%81%AE%2Caps%2C167&sr=8-1
(著) 川越敏司
出版社 ‏ :‎ 集英社(2024/9/17)
ASIN:B0DF64CSJ4
保険や金融、政策にも活用されていることから、「ビジネスパーソンに必須な教養」とまで喧伝されている行動経済学。従来の経済学が想定してこなかった、人間の多様な行動を理論化したことにより、2000年代から脚光を浴び始めた。しかし近年、主要理論の「再現性」に疑問が生じたことにより、その正当性が疑われ始めた。果たして行動経済学は信頼できるのか? 行動経済学会の会長を務めている著者が、主要な成果を再検討することによって、根本から行動経済学を見直す。入門から応用までが詰まった決定版。
#61.12_本
はじめに
行動経済学は研究的にもビジネス的にも重要視されている
行動経済学とは経済学に心理学的な洞察を取り入れたもの
行動経済学の生みの親はダニエル・カーネマン
ナッジの考案者であるリチャード・セイラー
2017年にノーベル経済学賞を受賞
ロバート・シラー
2013年にノーベル経済学賞を受賞
しかし、行動経済学の成果に対する疑問も生じている
ジェイソン・フレハ「行動経済学は死んだ」
ウォルマートの行動科学研究グループ
『「行動経済学の死」を考える』というシンポジウム
フレハの疑問
①損失回避性などの行動経済学の主要な発見には再現性がない
損失回避性:ある金額を獲得する場合の満足度と、それと同じ金額を失う場合をの不満の程度を比べると、後者の方が大きい
プロスペクト理論の重要な構成要素のひとつ
プロスペクト理論:1979年にカーネマンがエイモス・トヴェルスキーと共著で発表した理論
②ナッジの効果
ナッジ:ひじで軽くこづくこと
セイラーがキャス・サンスティーンと提唱した
他にも行動経済学の成果を疑問視するような指摘
ダン・アリエリーのデータ捏造
宣誓効果
『ファスト&スロー』に記載された研究の再現性への疑い
社会的プライミングは再現性が低い
プロスペクト理論を対象とし、妥当性の検証を試みた主要な研究を検討
専門的な研究でさえ、プロスペクト理論や損失回避性が正しく理解されていない
たとえば、損失回避性で説明されてきた現象が、損失回避性を用いなくても説明できたり、損失回避性とは関係もないものもあった
本書について
プロスペクト理論の検証の研究一つひとつについて、プロスペクト理論を実際に当てはめてみて、再度その結果の検証を試みている
本書の構成
第1章:行動経済学はそもそも科学的な理論なのかどうかについて、科学哲学の議論を援用しつつ説明する
第2章から第5章:行動経済学の中心理論であるプロスペクト理論の検証を試みた実験を紹介する
古典的な実験の紹介→その結果をプロスペクト理論を用いて理解する→後続の主要な研究を紹介し、プロスペクト理論が検証されたかどうかを確認
最後:検証結果のまとめ→今後の行動経済学との正しい付き合い方を述べる
第1章 行動経済学は科学的か?
tks.iconまずはお勉強部分
行動経済学の定義
「プロスペクト理論は参照点しだいでどんなことでも説明できるから、実は何も説明できない理論だ」
=プロスペクト理論は反証可能ではないから科学的な理論ではない
「価値観数の形状を変えないまま参照点を適当に平行移動させれば、具体例のすべてがプロスペクト理論では『正しい』回答になる」のか?
これが成り立つなら反証可能ではないことになる
プロスペクト理論では報酬がプラスの場合もマイナスの場合も感応度逓減であるS字型の価値観数が採用されている
https://gyazo.com/e872bc8aaf7928a0199df6b89ff3bb16
どちらがいいかを選ぶ実験
問題1
選択肢A:50%の確率で2万円受け取り、50%の確率で何も受け取らない
選択肢B:100%の確率で1万円を受け取る
問題2
選択肢C:50%の確率で2万円失い、50%の確率で何も失わない
選択肢D:100%の確率で1万円失う
tks.icon問題1はB、問題2はCを選ぶ=回答3
ありうるパターンは
回答1:問題1でA、問題2でC
回答2:問題1でA、問題2でD
回答3:問題1でB、問題2でC
回答4:問題1でB、問題2でD
プロスペクト理論から見て「正しい」選択をするかどうかを知りたい
4つのパターンのどれでも理論的にすべて「正しい」回答だとすれば反証されない
価値関数の形を変えなくても、参照点を平行移動させればいずれの選択肢も正しい回答になるのであれば反証されない
回答の言い換え:満足度の期待値(期待効用)
回答1:問題1でA、問題2でC
回答2:問題1でA、問題2でD
回答3:問題1でB、問題2でC
1万円の満足度>0.5×2万円の満足度+0.5×0円の満足度
回答4:問題1でB、問題2でD
tks.iconグラフの読み方がわからないときは縦軸が満足度ってことを意識する