丕緒の鳥
2021.10.7 落照の獄 読む
シリーズでここまで、柳の国はあまり出てこなかった
傾いた国、かつては素晴らしく機能していた法が人々に悪法とされる時
これまで出て来た人物が出てこない
結局死刑を宣告せざるを得い、その結末に絶望させられる、それはそこまでの葛藤の丁寧な描写があればこそ
全てが朱に染まり、シルエットが暗く残る その絶望感...
人間、国という大きな社会と、親と子、夫婦という家族という小さな社会の両方に所属しているんだなぁ、、
2021.10.11 青条の蘭
ただ一人の市民にスポットを当てるだけじゃなく、一人の力が及ばず、ただその力を束ねていってそれが希望になるのがすごい
どこの国にも属さない興慶の描き方がすごい
陽子の登極時にはすでに豊かになっている雁国の、かつての荒廃した時代が描かれていること
延王については十二分に描かれているから、匣が到着した後きっと...と、読者は希望を持てる
ただ、これはもしかしたら今の延王が国を滅ぼした後の雁国なのかもしれないのか
2021.10.12 風信
暦を作るという仕事、それに対して一人の市民として疑問を抱く蓮花
次第に理解していく、のと市民の側の悲惨な状態を見て憤る、が繰り返されて、最後にどちらも併せ持ちながら希望を見つめる、その終わり方がとても良い
丕緒の鳥で、落ちて壊れるだけでない、増えていく鳥〜〜みたいなのが、ここでもつながってくる