202411
台風の 目はどこなのと テレビ見て 指さす子どもに ういんくしてみる
歪んでる ハンガーみたいに 君の服 すぐに落として 濡らしてしまう
皿の底 少し残った 一筋の カレーみたいに 香る思い出
教室の 隅のケージの うさぎほど 白くて柔く 愛される君
桜散る 春風の中 チャリで行く 夏の暑さに 武者ぶるいで
完璧を 明日に求めて 泣いていた 今日は曇りで お散歩日和
うっかりで 踏み潰してた ありんこに 魂見えず 逆に悲しい
新幹線 車窓にうつる 田舎道 スマホ片手に 憧れの目を
自分より 優れていると 思う人 眺めて疲れて だめになっちゃう
おふとんの 中の暗闇温かく 生まれたことを 少し後悔
雨がふり 電車の中が 薄暗い 停車で香る 土手の夏草
充電が 切れたパソコン 重たくて ただいまの前 自室に帰る
キャンプの日 星を見上げて 瞼閉じ 結婚しようが 人のにおい
夏色の 空のかなたに いる人に 早く帰れと なすびをかじる
灰色の 都会のなかで 軽やかに 垂らした絵の具が 夜は見えない
日の出みる 約束してた 寝坊した 見たい朝日は 今日のじゃないの